「年金ってあんまりもらえないと思っています」なんて言葉を、筆者のもとに相談に来られる方もよく仰います。
近年の少子高齢化などを理由に、年金に対する不安が広がっているのは事実でしょう。
年金だけをあてにせず、自助努力で老後の資産を作り上げていくことも大事ではありますが、その一方で、年金のことをそもそもよく知らないというのも注意が必要です。
年金制度がどういった仕組みになっているのか、実際にいま年金を受給している人はいくらくらい受け取っているのかなど、公的年金についてきちんと把握することが、老後資金対策の第一歩といえるでしょう。
今回は公的年金の仕組みを確認した後、「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金と国民年金の平均受給額と、都道府県別の違いもあわせてみていきましょう。
1. 公的年金の仕組み
まずは日本の公的年金の仕組みを確認しましょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に原則として加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来の受給額が決まる
1.2 公的年金制度の2階部分
- 国民年金の上乗せとして公務員やサラリーマンなどが加入
- 収入に応じた保険料を支払います(ただし上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来の受給額が決まる
上記を見てわかる通り、公的年金は現役時代の働き方や収入が影響します。
毎年誕生月に送付されるねんきん定期便などにご自身の加入状況がのっていますので、まずは確認しましょう。
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士
大阪市立大学経済学部卒業後、教育業界を経て、メットライフ生命保険株式会社、株式会社ほけんのぜんぶ入社。生命保険販売を通じ、FPとして主に子育て世代の資産形成や老後資金準備に関するコンサルティングをおこなう。専門用語を使わず丁寧で分かりやすいアドバイスが強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員(証券外務員一種)、宅地建物取引士の資格を保有。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリア、転職などをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年6月20日更新)。