2.2 東京23区の教育費

東京都教育委員会による「令和5年度 公立学校統計調査報告書」によると、東京23区の公立小学校を卒業して、私立中学校に進学した子どもの割合は25.57%となっており、およそ4人に1人が私立中学校に進学しています。

そこで子ども2人を私立中学校に進学させた場合の教育費を考えてみたいと思います。

文部科学省の調査から私立中学校の学費をみてみましょう。

私立中学校の学費

私立中学校の学費

出所:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査-結果の概要」をもとに筆者作成

公立中学校は総額161万6317円ですが、私立中学校は総額430万3805円と、公立のおよそ2.7倍の費用がかかっています。

私立中学校の学費を学年ごとにみてみると、1学年180万6991円、2学年121万8559円、3学年127万8255円となっています。

初年度は入学金や制服代がかかるので多くなりますが、月にすると10万円程度かかることになります。

子どもが2人いる場合は単純計算で20万円となりますが、年の差があれば、支出する時期はずれます。

しかし、仮に下の子が中学受験のための塾に通っているとすると、同じように費用がかかると見込まれるので、2人分の教育費として月に20万円で計算してみましょう。

2.3 東京23区の子育て世帯に必要な年収は1500万円

ここまでの情報から、東京23区で子育てをする場合に必要な年収の目安を出してみましょう。

住居費と教育費以外の生活費は、総務省「家計調査 家計収支編2023年」から、東京都区部に住む二人以上(勤労者)世帯の消費支出を参考にします。

この消費支出から住居費と教育費を除くと約30万円となります。

  • 住居費17万円+教育費20万円+それ以外の生活費30万円=67万円

月に67万円の支出となりましたが、ここには、貯蓄は含まれていません。

そこで、可処分所得から、67万円を支出してもなお、20%貯蓄ができるのが理想の家計です。

ここから逆算して可処分所得を計算すると、83万7500円となります。

可処分所得を月収(額面)の70%とすると、月収は約119万6429円となります。

年収にすると約1435万7000円です。

およそ1500万円必要といえるのではないでしょうか。