世界を代表するエレクトロニクスメーカーのソニー。いや、現在のソニーの収益構成を考えれば、ゲームや音楽、映画などを中心としたエンタテインメント(エンタメ)企業と呼びたくなります。もっとも、半導体や金融事業も大きな収益を計上しているので、コングロマリットと言えるのかもしれません。
今回はそのソニーの創業時の社名やソニーの社名の由来について見ていきましょう。
ソニーの収益構成は今どうなっているのか
ソニーの2018年3月期連結決算は、売上高が約8.5兆円、営業利益が7349億円、当社株主に帰属する当期純利益(当期純利益)が4908億円で、大きく収益が拡大しました。
その収益の内訳は、ゲーム&ネットワークサービスが1775億円、音楽が1278億円、映画が411億円、ホームエンタテインメント&サウンドが858億円、イメージング・プロダクツ&ソリューションが749億円、半導体が1640億円、金融が1789億円となっており、モバイル・コミュニケーションが▲276億円の営業損失を計上している以外は黒字となっています。
金融事業は上場企業でもあるソニーフィナンシャルホールディングスが担っているので、それを除いて考えると、ソニーはゲームとエンタメと半導体の企業と言えるでしょう。
ゲームやデジタルカメラ、放送局向け機器といったハードウェアを開発・製造しているメーカーではありますが、音楽や映画といったコンテンツ事業の収益も大きくなっており、いわゆる「電機メーカー」という枠には収まりません。
ソニーという社名の由来
さて、そのソニーの社名は非常に響きもよく、親しみやすい名前ですが、その由来をご存じでしょうか。同社の企業サイトには次のように書かれています。
音「SOUND」や「SONIC」の語源となったラテン語の「SONUS(ソヌス)」と、小さいとか坊やという意味の「SONNY」——これは、自分たちの会社は非常に小さいが、それにも増して、はつらつとした若者の集まりであるということにも通じる——を掛け合わせて作った言葉である。
出所:ソニーについて「第6章 トランジスタに“石”を使う <トランジスタラジオ>」
このように、「SONY」という名称は2つの外国語を掛け合わせて生み出されたことが分かります。ただ、同社の創業は1946年5月であり、ソニー株式会社に改称されたのが1958年1月であることを考えると、創業時の名称はソニーではなかったことになります。では、ソニーの創業時の社名は何だったのでしょうか。
ソニー創業時の社名は何か
実は、同社は社名をソニーと決める前に自社製品に「SONY」マークをつけることを決定しています。それが1955年2月。その約3年後の1958年に会社名がソニー株式会社となったわけです。
ソニーは戦後間もない1946年5月、電気通信機および測定器の研究・製作を目的とし、東京都中央区日本橋の白木屋(百貨店)内に、「東京通信工業」(略して東通工)という名称で設立されました。そして翌年の1947年1月に本社などを東京都品川区に移転します。
東京店頭市場に株式を公開したのが1955年8月。したがって、上場時にはソニー名ではなかったことになります。その後、東通工が社名をソニーに変更した1958年の12月には東京証券取引所第1部に上場します。海外では1970年9月にニューヨーク証券取引所に上場を果たします。
このように、ソニーは世界で消費者だけではなく投資家にも親しまれる存在になっていきます。同社の歴史を振り返ると、創業後12年で社名をソニーへ変更して以降、株式市場で投資家との接点を増やしていったようにも見えます。
当時とはソニーの事業内容は大きく変わったものの、ソニーブランドは健在です。今後もソニーの活躍に期待したいところです。
LIMO編集部