2. 初対面の人には「驚かれることが多い」

@uta_saxophoneさんに、ご自身の苗字についてお話をうかがいました。

ほかの人に驚かれることがあるかを尋ねると「初対面の方だと驚かれますし、偽名だと疑われますね(笑)」とのこと。「しかし、そういう時は身分証を見せたりすることで信じて貰っております」と続けて教えてくれました。

公的な身分証に書かれた珍しい苗字

公的な身分証に書かれた珍しい苗字

出所:@uta_saxophone提供

@uta_saxophoneさんは取材の際、公的な身分証を個人情報が特定されない範囲で見せてくれました。掲載許可をいただいた氏名部分を見てみると、「姫」は旧字体で記されていることがわかりますね。

3. 珍しい苗字で「得したこと」よりも「苦労したこと」のほうが多い

クレジットカードに記載された珍しい苗字

クレジットカードに記載された珍しい苗字

出所:@uta_saxophone

珍しい苗字で得したことを聞くと、「なんと言ってもインパクト強めな名字ですので、周りの方の記憶に残りやすいということです。そして会話のきっかけになるといったプラス面がございます。メリットはそれくらいですね(笑)」と語る@uta_saxophoneさん。

反対に「苦労した事」は数えきれないほどあるといい、複数の具体的エピソードを話してくれました。

「まず、インターネットで個人情報を入力する場面では、そもそも漢字が入力できないというところです」とのこと。

「戸籍や身分証では『倭姬󠄁宮』の姫の字が旧字(異体字と言います)を使っておりまして、身分証と一致する漢字で入力すると、必ずエラーが発生してしまい入力できません。仕方がないので普通の『姫』で入力すると、先に進むことができます」と@uta_saxophoneさん。

しかし、それによって生じる苦労もあるようで「例えばクレジットカードや銀行のキャッシュカード等、受取時に本人確認や本人確認資料の提出が必要な際には『入力した漢字と身分証の字が異なっているので、受け付けることができない』と言われ、諦めたこともございます」と語ってくれました。

また、倭姫宮をアルファベットにする際には、苗字の長さによる苦労もあるそうです。

「パスポートの申請書類にはアルファベットを記載する欄がありますが、YAMATOHIMENOMIYAは入りきりませんので、パスポートセンターでは受付してもらえず、わざわざ外務省に足を運んで事情を説明して手続きを進めていただいたことがあります」といったエピソードも。

加えて「カードでは、苗字が長すぎて入りきらないので省略されることもあります。省略されるのは構わないのですが、海外で利用する際にパスポートと一緒に本人確認に使用することが多く『省略されているから一致していないので使えません』と言われたことも多々ございました」とも話してくれました。

ちなみに「学校生活では普通の姫のほうの倭姫宮を使用しておりました」とのこと。珍しい苗字ならではの「デメリット」は、思った以上に多く存在するようですね。