内閣府が発表した令和6年度政府経済見通しの概要によると、インフレ率は2022年度が3.2%、2023年度が3.0%、2024年度が2.5%の見通しとなりました。
これまで「インフレ」という言葉にあまりピンとこなかった方が多いかもしれませんが、最近は皆さんが肌で感じるような物価上昇が起こっていると思います。
物価が上がり続ける中、収入が減ってしまう老後生活において、お金の不安なく過ごせる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
今回は70歳代の方々が実際にいくら年金をもらえているのか、また貯蓄はどのくらい保有しているのかを見ていきたいと思います。
1. 70歳代「貯蓄3000万円以上」を達成する夫婦世帯はどれほどいるの?
まずは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
「貯蓄3000万円以上」を達成する世帯はどれほどいるのか注目しましょう。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円の割合
- 19.7%
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
※金融資産保有額には預貯金のほか、投資信託、株式、保険などの金融商品残高が含まれています。
70歳代の平均貯蓄額は1757万円で、このうち、「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯の割合は19.7%となりました。
ただし、実態に近い中央値は700万円。貯蓄ゼロの世帯が19.2%いることも、見逃せないポイントです。
まだ働く70歳代もいますが、多くの世帯では引退を迎え、貯蓄の取り崩しが進んでいると考えられます。
貯蓄が3000万円あったとしても、取り崩しのペースによって安心とは言い切れないでしょう。そこで重要となるのが、継続的な収入面です。
70歳代の収入の柱となる、【厚生年金と国民年金】の平均月額を見てきましょう。