2024年1月に、厚生労働省より2024年度の公的年金の増額改定が発表されました。

2024年度の国民年金・厚生年金の年金額例は下記のとおりです。

  • 国民年金:6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分)※

※夫が平均標準報酬43万9000円で40年間就業、夫婦ともにが国民年金満額受給のモデル夫婦の場合

2024年度の改定により増額支給され始めるのは2024年6月からとなっていますが、「なぜ4月ではなく6月なのか」疑問に感じる方もいるでしょう。

本記事では、年金支給における仕組みについて詳しく解説していきます。

公的年金の年金支給スケジュールや、6月送付の年金振込通知書の見方についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 「6月~翌年4月」までの年金支給スケジュール

まずは、年金支給における仕組みから確認していきましょう。

公的年金の支給は、原則2ヶ月に1回、偶数月の15日に、該当する支給月の「前月と前々月」の2ヶ月分が支給されます。

つまり、2024年度の4月分は5月分とあわせて2ヶ月後の「6月」に支給されるのです。

なお、6月の15日は土曜日にあたり、15日が土日祝の場合はその直前の平日が年金支給日となります。

上記から、2024年度初めの年金支給日は「6月14日」になるということです。

参考までに、「2024年6月~翌年4月まで」の年金スケジュールを確認しておきましょう。

【写真4枚】1枚目/2024年6月~翌年4月までの年金スケジュール、2枚目以降で「年金振込通知書」と「国民年金・厚生年金の平均月額」をチェックする1/4

2024年度の年金支給日カレンダー

筆者作成

年金支給日:年金支給対象月

  • 2024年6月14日(15日が土日にあたるため前倒し):2024年4月分、2024年5月分
  • 2024年8月15日:2024年6月分、2024年7月分
  • 2024年10月15日:2024年8月分、2024年9月分
  • 2024年12月13日(15日が土日にあたるため前倒し):2024年10月分、2024年11月分
  • 2025年2月14日(15日が土日にあたるため前倒し):2024年12月分、2025年1月分
  • 2025年4月15日:2025年2月分、2025年3月分

現役の時は毎月給与が振り込まれていましたが、老後の年金生活においては2ヶ月分まとめての支給となるため、次の支給日である2ヶ月後まで生活できるよう、計画的な家計管理が大切になります。

なお、年金支給額は「年金振込通知書」にてご確認いただけます。

次章で年金振込通知書の見方をチェックしていきましょう。

2. 6月送付の「年金振込通知」の見方とは?

年金を受給している方には、毎年6月頃に、2024年度の年金受給額が記載された「年金振込通知書」が送付されます。

年金振込通知書2/4

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

送付された年金振込通知書の金額が最新のものとなっているため、自宅に届いたら必ず確認しましょう。

年金振込通知書で始めに確認しておきたい項目は、「年金支払額」と「控除後振込額」です。

年金支払額には、公的年金の「総支給額」が記載されており、税金や社会保険料が「天引きされる前の金額」です。

控除後振込額には、「税金や社会保険料が天引きされた後の金額」が記載されており、いわゆる「年金の手取り額」となります。

次に「所得税および復興特別所得税」「個人住民税」「介護保険料」「後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)」の金額を確認しておけると良いです。

上記は、年金から天引きされる税金・社会保険料となっているため、年金から「何がどのくらい差し引かれるのか」「極端に多く天引きされているものはないか」などを確認しておきましょう。

さて、ここまで年金支給日や年金振込通知書の見方を確認してきましたが、公的年金は月額どのくらい受け取ることができるのでしょうか。

次章で現在の高齢者の年金受給事情を見ていきます。

3. 公的年金のリアルな平均月額はいくら?

冒頭でお伝えした2024年度の年金額例は、あくまで「国民年金満額受給の金額」と「モデル夫婦2人分の金額」であるため、必ずしも全員がその金額を受給できるわけではありません。

そこで最後に、現在の年金受給者が受け取っている、リアルな年金の平均額を確認していきましょう。

3.1 国民年金の平均月額と受給割合

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は下記の結果となっています。

【国民年金の平均月額】

  • 男女全体:5万6316円
  • 男性:5万8798円
  • 女性:5万4426円

国民年金の受給割合は下記のとおりです。

【一覧表】国民年金の平均月額3/4

【一覧表】国民年金の平均月額

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金は、原則日本に住む20〜60歳未満の人が対象で、保険料が一律であることから受給額にあまり差が生じていません。

受給割合のボリュームゾーンは、5〜7万円であることから満額に近い金額を受け取っている人が一定数いることがうかがえます。

3.2 厚生年金の平均月額と受給割合

厚生労働省年金局の同調査によると、厚生年金の平均月額は下記の結果となっています。

【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】

  • 男女全体:14万3973円
  • 男性:16万3875円
  • 女性:10万4878円

続いて、厚生年金の受給割合は下記のとおりです。

【一覧表】厚生年金の平均月額4/4

【一覧表】厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金は、主に会社員や公務員などが加入対象であり、保険料が現役時代の年収によって変わることから、老後に受け取れる年金額にも個人差が生じやすいです。

受給割合のボリュームゾーンをみると、国民年金よりもバラついており、このことからも受給額に差があることがみてとれます。

ご自身の年金見込額を、より詳しく知りたい方は「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」で確認しておけると良いでしょう。

4. ご自身が受け取れる年金額を確認しておこう

本記事では、年金支給における仕組みについて詳しく解説していきました。

年金額は毎年改定がされており、今年も増額改定となりましたが、改定額が近年の物価上昇に追いついていないことから実質目減りとなっています。

今のうちから、ご自身が将来受け取れる年金額を確認しておき、どのくらい老後の生活費が不足するのかをシミュレーションしておけると良いです。

「老後の生活費の不足分×老後の年数」をまずは老後資金の目安として、コツコツと準備しておけると老後の安心材料につながるでしょう。

参考資料

和田 直子