年代を問わず使いやすいスマホとして定評のあった「arrows」シリーズの新モデルが、2024年5月16日に新生FCNT(FCNT合同会社)から発表されました。各機種の特徴を紹介します。
FCNTは携帯電話時代から富士通のモバイル端末を開発し、近年ではarrowsやらくらくスマートフォンなど、日本メーカーらしいユーザーへの配慮を重視した製品を数多く世に送り出してきました。
しかし、2023年5月に資金繰りの悪化によって民事再生申請をすることになり、ブランドは継続の危機に。そこに救いの手を差し伸べたのが、レノボグループ。同年9月に同グループが事業を継承し、10月からFCNT合同会社として再始動しています。
1. 【新生FCNTからスマホ新商品】みんなが使いやすいにこだわった「arrows We2」
新会社として最初の新製品となるのが、「arrows We」の後継モデルです。MM総研の調査によるとarrows Weは「国内メーカーのAndroidスマホとして単独機種としてもっとも出荷台数が多かったスマホ(2023年12月末時点)」とのこと。リスタートを切るにはうってつけのシリーズといえます。
新製品はエントリーモデル「arrows We2 F-52E(以下、We2)」と上位モデル「arrows We2 Plus F-51E(以下、We2 Plus)」の2機種です。まずはWe2の特徴からみていきましょう。
1.1 エントリークラス基準よりちょっと上のスペックを採用
We2は前機種の「全ての人が手に取れる5Gスマートフォン」というコンセプトを継承しています。ディスプレイサイズは約6.1インチで現在の市場のマジョリティに合わせてきた一方、CPUにはMediaTek Dimensity 7025を採用し、一般的なエントリークラスの水準よりちょっと上の処理性能を実現しています。
カメラ機能も同様に一般的なエントリークラスよりちょっと上を意識しており、デュアルレンズのメインカメラは約5010万画素と高画質。また、接写撮影もできるマクロカメラ、光感度を4倍に高めるクアッドピクセル技術など、表現力豊かに撮影できる仕様になっています。
1.2 arrowsならではの使いやすさもブラッシュアップ
操作性ではarrows NXシリーズ以来となる「Exlider」機能を実装しました。Exlider機能は電源キーで指紋と指の動きを読み取り、画面をスクロールしたり拡大したりできるギミックです。
「タッチ操作で十分では?」と思われるかもしれませんが、ブラウザやアプリの中には拡大できない仕様になっているものもあります。こんな場合でもExliderなら無条件で最大5倍まで画面を拡大することができます。
スクロールは指が疲れにくいのはもちろん、ポップアップ広告の誤タップを防止できるという効果もあります。シンプルながら実はユーザー目線という機能は、FCNTの開発思想を体現しているといえるでしょう。
1.3 独自品質で頑丈さ&清潔さを追求
端末の頑丈さもWe2の魅力です。堅牢性では「1.5mの高さからコンクリートに落としても画面が割れにくい」というFCNT独自品質をクリア。1.5mというのは日本人の平均身長(約1.7m)で電話しているときにスマホがある高さです。
防水性能はIPX5/IPX8、防塵性能はIP6X。数値からは分からない要素として、丸洗いやアルコール除菌にも対応しています。このあたりも「日本人のためのスマホ」を意識していることがよく伝わってきますね。
このほかのスペックは以下の通り。OSはAndroid 14、RAMは4GB、ROMは64GB、バッテリー容量は4500mAh。カラバリはライトブルー、ネイビーグリーン、ライトオレンジ。NTTドコモ・au・UQ mobileで8月中旬に発売します。
2. 「arrows We2 Plus」の目玉は世界初の「自律神経活性度計測」機能
We2 PlusはWe2をベースにスペックをがっつり引き上げ、独自機能も搭載した上位機種です。CPUにQualcomm Snapdragon 7s gen 2を採用したことに加え、arrows史上最大のメモリ構成(RAM8GB+仮想メモリ最大8GB、ROM256GB+外部SDカード対応最大1TB)によってストレスフリーなパフォーマンスを実現しています。
映像や音もハイエンドレベルのスペックに仕上がっています。約6.6インチのpOLEDディスプレイはリフレッシュレート144Hzとなめらか。ピーク輝度は1200nitで直射日光下でも高い視認性を確保します。画面を横にしたときの左右にステレオスピーカーを搭載しているので、迫力満点です。
カメラはデュアルレンズの広角約5010万画素はWe2と共通ですが、もう片方は約800万画素の超広角となっています。さらに光学式手振れ補正を備えており、ブレずに明るい写真を撮影することが可能です。バッテリー容量も5000mAhとWe2より大容量になっています。
そして、目玉機能といえるのが、世界初の「自律神経活性度計測」です。これは背面カメラ下の脈波センサからバイタルデータを読み取り、独自のアルゴリズムで自律神経の活性度を測定できるというもの。同社の支持層として多いシニア層に対して魅力的な機能となりそうです。
このほかのスペックは以下の通り。防水性能はIPX5/IPX8、防塵性能はIP6X、カラバリはスレートグレイ、シャンパンシルバーの2色。NTTドコモで8月中旬に発売します。なお、We2 Plusは予約&購入&応募でdポイントが3000ポイントもらえるキャンペーンも開催します。
参考資料
大蔵 大輔