4. 何割? 厚生年金を「月額20万円以上」受給できる人の割合をチェック

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を受給している総数1599万6701人のうち、厚生年金「月額20万円以上」の受給者と割合は下記のような結果となりました。

  • 全体:236万2838人(14.7%)
  • 男性:230万765人(14.4%)
  • 女性:6万2073人(0.4%)

※小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計値が必ずしも100とはなりません。

月額20万円以上の厚生年金を受給している人数は全体で236万人程度。全体の15%にも満たないようです。

「手厚い」と評される厚生年金でも、月額20万円以上を受け取ることができる人は決して多くないとわかります。

年金の受給状況をみても、現代では「セカンドライフでは、年金だけで暮らす」ような生活をしている人が少ないのかもしれません。

実際に、100%年金だけで生活している人の割合について次の章でチェックしていきましょう。

5. 年金暮らしの実態…所得のすべてが「公的年金」であるシニアの割合は?

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合が公表されています。

【写真全4枚中3枚目】公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

【構成割合】公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

その割合から、100%年金だけで生活している人は全体の44%と半数にも満たないことがわかります。

つまり、半数以上の高齢者世帯は年金だけでは生活できていないということ。それまでにつくった貯蓄を切り崩したり、定年退職後も就労したりして老後の生活費を補填している様子がうかがえます。

たしかに、現役でバリバリ働いている頃には、具体的な年金受給額や生活費のイメージが付きにくいもの。実際は年金以外の貯蓄や収入源が必要となってきます。

次の章からは、老後の備えとして今からできる資産形成の方法について考えていきましょう。