緑色の看板に書かれた「業務スーパー」。はじめて耳にする方の中には飲食店などを運営する人が利用する専門のスーパーなのかと考えるかもしれません。ただ、その緑色の看板には「一般のお客様大歓迎」の文字が。「業務スーパー」ではどのような商品が売れているのでしょうか。
「業務スーパー」とは何か
「業務スーパー」は神戸物産が運営する業務用のスーパーです。商品の販売価格を抑えるために、いわゆるオペレーションコストを低く抑える工夫をしています。特に陳列や商品の見せ方、発注システムなどに工夫をしています。
また、オリジナル商品の強化をしており、国内にある自社の食品加工工場数は21に及びます(2017年12月時点)。また、約40カ国から輸入している食品もあります。「業務スーパー」にしかないオリジナル商品は利用者の支持を受けています。
「業務スーパー」の事業の状況はどうなのか
2018年4月26日に発表されている会社の開示資料によれば、2018年3月時点で「業務スーパー」の総店舗数は801店舗にまで拡大しています。2018年10月期の初月である2017年11月には787店舗であったのに対して、順調に拡大をしていまることが分かります。
801店舗の内訳ですが、直営店舗が2店舗であるのに対して、FC店舗が799店舗と、「業務スーパー」のほとんどはFCの事業モデルで展開されていることが分かります。
神戸物産単体から「業務スーパー」店舗への商品出荷実績は直轄エリアの既存店に関して対前年同月比で2018年3月は+1.9%増となっています。2017年11月が同+4.2%増、12月が同+3.0%増、2018年1月が同+6.2%増、2月が同+3.9%増となっており、2018年10月期はここまで各月で前年を上回っています。
ちなみにここでいう「直轄エリア」というのは、関東(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)、関西(大阪府、京都府、淡路島を除く兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)、九州(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)、その他(北海道)エリアを指し、それ以外は「地方エリア」とされています。
プライベートブランド商品で売れ筋は
さて、一度でも業務スーパーを利用されたことがある人はお分りかもしれませんが、陳列されている各商品のボリュームもさることながら、価格にも驚きます。どのような商品が売れ筋なのでしょうか。2017年決算資料によれば、PB(プライベートブランド)商品の売上トップ5は次のようになっています。
国内自社工場
- 徳用ウインナー 1キロ
- 菊川うまい焼酎25% 4リットル
- 上州高原どりもも肉 2キロ
- 吉備高原どりもも肉 2キロ
- 讃岐うどん200グラム×5食
自社輸入商品
- ブラジル産鶏もも正肉 2キロ
- ベルギー産フライドポテト 1キロ
- 鶏もも串(加熱済み・タレ無)22グラム×50本
- ブロッコリー 500グラム
- カットトマト缶詰 400グラム
こうして売れ筋をみると、飲食店などの業務用として利用される一方で、大家族や節約志向の強い家庭で利用するというのも一つの「業務スーパー」の使い方といえるのではないでしょうか。
ー食品小売り店は利用目的に応じてお得に利用したいー
青山 諭志