グリーンカーテンはいいことづくし。おすすめ植物と作り方のコツとは?

今が始めどき! 気軽にできる住まいの暑さ対策

今日は「みどりの日」。春はあっという間に通り過ぎ、暦の上では明日から立夏、夏の始まりです。暑い夏を見据えて、そろそろ始めておきたいのが、グリーンカーテンづくりです。

つる性の植物をネットや柵に絡めたグリーンカーテンは見た目にも涼しいですが、すだれ以上の涼感効果も期待できます。日光をさえぎり、熱の原因となる赤外線を反射することで、室内や周辺の温度上昇を抑えることに加えて、根から吸い上げた水分が葉から蒸発する際に、周囲の熱を奪うことでも温度を下げています。

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省エネ効果もありながら(注1)、花や野菜も楽しめて、まさに一石二鳥。庭がなくても、ベランダのスペースで手軽な園芸として楽しむこともできます(注2)。そこで今回は、タキイ種苗 広報出版部の桐野直樹さんに、グリーンカーテンにおすすめの植物と、作り方のポイントを聞きました。

やっぱり“定番”には理由があった

つる性の植物はいろいろありますが「涼を求めるという目的に一番ふさわしいのは、やはりゴーヤです」と桐野さん。ゴーヤ(にがうり)は葉を茂らせる力が強い分、日差しをしっかりと遮り、蒸散作用により温度を下げる効果もより期待できます。

「インゲンやキュウリなどで行うこともできますが、夏本番の8月には暑さで枯れあがり、生育が終わってしまっている可能性が高いです。残暑の時期まで長持ちするという点でもゴーヤは適しています」

ゴーヤのグリーンカーテン(写真提供:タキイ種苗、以下同)

ゴーヤといっても様々な種類があります。スーパーなどで売られている代表的な「あばしゴーヤ」は、ずんぐりとした短太型で、苦みの少ない味が特徴です。品種によって、味や形状、実なりの多い・少ないなどの違いがあるため、園芸専門店などで詳しい人に相談できれば、自分好みのゴーヤが選べるはずです。

あばしゴーヤの「島さんご」

また、ゴーヤ以外にも「食べられるグリーンカーテン」を作りたいという方には、暑さに強いツルムラサキもおすすめです。おひたしにして食べることができます。

ツルムラサキ

かわいらしい花も楽しめる

「緑だけでなく花も楽しみたい」という方に一番のおすすめは、セイヨウアサガオです。朝顔といえば日本の代表的な園芸植物ですが、グリーンカーテン用としては葉の茂り具合が少し物足りません。

桐野さんによると、タキイ種苗でも扱っている「ヘブンリーブルー」というセイヨウアサガオは、花が咲き始めるのは8~9月と遅咲きですが、葉はよく繁茂して、秋ごろまで長く楽しめるそうです。

セイヨウアサガオの「ヘブンリーブルー」

 

このほかにも、風船のようなかわいらしい実をつけるフウセンカヅラや、赤い花が緑に映えるルコウソウも、定番以外の植物として挙げられます。

フウセンカヅラ

 

ルコウソウ

失敗しないためには「土を多めに」

さて、実際にグリーンカーテンをつくる上では何に気を付ければよいのでしょうか。ここでは主にゴーヤのプランター栽培を想定してアドバイスをもらいました。

「地植えであれば、放っておいてもある程度大丈夫ですが、プランターの場合は、なるべく大きなプランターに、たっぷりと野菜栽培用の土を入れておくと、その後の管理が楽になります。土が多いほど保水力が高まるので、こまめに水やりをしなくて済みますし、あらかじめ養分がしっかり入っている土であれば、追肥する手間も省けます」

葉をたくさん茂らせるためにも、しっかりと根を張るスペースを確保することが大切です。また、ベランダにプランターを設置する場合は、コンクリートの熱が伝わって根がダメージを受けやすいため、プランターとの間に一枚「すのこ」を挟むと良いそうです。

庭やプランターがなければ「袋」でも

初心者の人ほど、地植えにするか、もしくは大きなプランターを使うことが望ましいのですが、庭や畑がなかったり、プランターを置くスペースの問題で断念する人も少なくないと思います。

ならば、いっそのことプランターもいりません! というのが「袋栽培」です。さらに使い終わった土を可燃物として捨てることができる『そのまんまもやせる土』という野菜栽培用の土も売られています。これならば、使用後のプランターや土の処分に困ることはありません。

ただし、袋栽培をする際の注意点として、桐野さんは「一袋だけでは不安定で倒れやすいので、袋栽培をする場合はできれば3~4袋並べてください。まとめて縛ることで強風にも耐えられます」と話します。袋栽培の方法について詳しくは、こちらで紹介されているので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

暑さに向かっていく中での楽しみとして、植物の種類と設置方法、それぞれ自分に合ったものを選びながら、ぜひ快適なグリーンカーテンを作りましょう!

(注1)省エネ効果について
横浜市環境科学研究所によると、南側に面したガラス窓外側に植えられた 8㎡の緑のカーテンを仮定した場合、7~9月の夏期3カ月間での緑のカーテンによる省エネ効果は、家庭用(8畳)エアコン1台分を毎日1時間から1時間半程度稼動させる程度の効果があると推定されています(「緑のカーテンによる省エネ及びCO2削減効果の試算」)。

(注2)ベランダで行う際の注意点
マンションのベランダに設置を検討する際は、事前に管理規約を確認してください。また、風で飛ばされないように固定し、枯れ葉で排水溝がつまらないように注意してください。

堀川 晃菜

参考記事

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堀川 晃菜

新潟市出身。長岡高専への進学を機に理系の道へ。東京工業大学 生命理工学部、同大学院の修士修了。
農薬・種苗メーカーを経て、日本科学未来館の科学コミュニケータ―に。その後、JBpressの編集・記者を務め、現在はフリーランス。
著書に『バイオ技術者・研究者になるには』(ぺりかん社)がある。