2. 子どもの人数別|高校無償化になる年収の目安
高校無償化になる保護者の年収の目安は、子どもの人数や年齢により異なります。保護者が共働きの場合と、いずれか一方のみが働いている場合とに分けて確認していきましょう。
2.1 両親が共働きの場合
両親が共働きの世帯で高校生の子どもが1人の場合、年収が約1030万円未満であれば11万8800円の支給を受けられ、約660万円未満であれば39万6000円の支給対象が受けられます。
また、高校生の子どもが2人いる場合は、年収約1070万円未満であれば11万8800円を、約720万円未満であれば39万6000円が支給されます。
2.2 保護者の一方のみが働いている場合
保護者のうち一方のみが働いている世帯で高校生の子どもが1人の場合は、年収が約910万円未満であれば11万8800円の支給を、約590万円未満であれば39万6000円の支給を受けられます。
また、高校生が2人いる世帯では、年収が約950万円未満の場合11万8800円が支給され、約640万円未満の場合に39万6000円が支給されます。
なお、主な収入を得ている保護者の配偶者に収入があっても、配偶者控除の対象になっている場合は、いずれか一方が働いているとみなされ、こちらの金額が適用されます。
3. 都道府県によって独自の上乗せ支給がある
高校無償化(高校授業料無償化制度)は国の制度ですが、都道府県によっては独自の上乗せ支給を行っているところがあります。
たとえば、東京都では都内に住む私立高校などに通学する生徒のいる世帯を対象に、「私学高等学校等授業用軽減助成金事業」を行っています。
令和6年度から所得制限が撤廃され、年収に関わらず国の就学支援金と合わせて年間48万4000円まで授業料の支払負担の軽減が可能です。
また、神奈川県では「私立高等学校等生徒学費補助金」制度があり、入学金補助と授業料補助を受けられます。
入学金補助は原則として10万円で、年収270万円未満の生活保護世帯などは21万1000円です。授業料補助は、年収に応じて7万4400円〜34万9200円が支給されます。
4. まとめにかえて
高校無償化になるかどうかは、保護者の年収と子どもの人数や年齢などによって決まります。
文部科学省が示しているモデルケース(両親のうちどちらか一方が働き、高校生一人(16歳以上)、中学生一人の子供がいる世帯)では、年収約910万円未満の場合に支給対象となります。
また、都道府県によっては独自の上乗せ支給を行っているところがあるため、お住いの地域で制度があるかどうか確認してみましょう。
参考資料
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
- 文部科学省「2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット」
- 東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」
- 神奈川県「学費補助金について」
木内 菜穂子