2. 老後の柱「厚生年金と国民年金」2024年度は2.7%増も実質的に目減りに
定年後も働きたい理由に「日々の生計維持のために必要」があり、特に老後の年金生活には不安を抱えている方も多いでしょう。
日本の年金は2階建てとなっており、1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金になります。
1階部分は20歳以上60歳未満が原則加入し、一律の保険料を支払います。
一方で、公務員や会社員などは2階部分の厚生年金にも加入し、収入に応じた保険料を支払います。そのため、厚生年金は特に個人差が大きくなっています。
また、年金額については、毎年度改定されます。
物価高もありますが、2024年度の年金額はいくらになったのか、年金額例を見てみましょう。
2.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
2024年度は物価高により2.7%の増額です。
上記を見ると、厚生年金の標準夫婦では23万483円で23万円を超えました。
ただし、物価ほどは増額されていません。これは将来の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みによっておさえられたからです。
そのため年金額は実質的には目減りと言えます。
少子高齢化の日本では将来年金額が減る可能性も考えられるため、不安を感じる方もいるでしょう。
では、平均的な年金額はみなさんいくらなのでしょうか。
今回は厚生年金と国民年金の平均月額について、60~90歳以上まで1歳刻みで見ていきます。