2. 20歳代の金融資産保有が低い要因とは?

20歳代の金融資産保有割合が他の年代に比べて低い要因は、賃金の低さが関係しているといえるでしょう。

実際に、厚生労働省が2024年3月27日に発表した「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」をみると、20歳から24歳では21万8500円、25歳から29歳までは25万1200円でした。

10歳代に次いで賃金が低くなっています。つまり、20歳代は賃金の中から貯蓄に回せる資金が少ない、もしくは貯蓄に回せない可能性があります。

では、貯蓄ができない場合や、少ない元手でも資産を増やす方法について確認しましょう。

3. 効率的な貯蓄に必要な対策とは?

効率的に貯蓄をするには、自分の収入から貯蓄に回すお金を捻出する必要があります。そのために、必要な支出を抑えつつ、よりお金が増える金融商品に資産を運用させましょう。

効果的な貯蓄をするために踏まえるべきポイントは、次の3つです。

  • 先取り貯蓄
  • 固定費の見直し
  • 資産運用

効率的な貯蓄に必要な対策について、それぞれ解説します。

3.1 先取り貯蓄

効果的に貯蓄をするためには、まず収入から一定額を貯金に回す「先取り貯金」を実践してください。

先取り貯蓄は、収入からあらかじめ決まった金額を貯金に回して、残った費用で生活をやり繰りする方法です。

先取り貯金ができれば、生活費が抑えられるメリットもあります。また、収入にかかわらず貯蓄ができるので、効果的にお金を貯められます。先取り貯蓄は、手取りの25%を目安にすると良いでしょう。

3.2 固定費の見直し

固定費の見直しも、貯蓄をするうえで重要なポイントです。食費や光熱費といった変動費を見直すよりも、「通信費」や「保険料」といった固定費を見直すと良いでしょう。

  • 通信費:スマホ代やインターネット回線の見直し、サブスクの解約
  • 保険料:不要な保険の見直し

また、固定費を見直すために、複数の口座にお金を分けて管理するのもおすすめです。

複数の銀行で口座を開設して、生活費に回す口座や固定費に使う口座に分けて管理すると、節約の意識がはたらきます。

3.3 資産運用

先取り貯蓄や固定費の見直しで貯められたお金は、積極的な資産運用も検討しましょう。資産運用をする場合は、金利の高い金融商品に長期投資をするのがポイントになります。

過去の実績からも、長期投資は運用効果が高まる効果があります。

実際に、金融庁の「長期・積立・分散投資とNISA制度」では、世界の主な株価指数に20年間投資をした場合、すべての指数がプラスになりました。

以上から、資産運用をしながら手元の資産を中長期的に増やす取り組みも重要です。

4. ライフプランにもとづく対策や準備が重要

年代別の貯蓄額をみると、年代が上がるにつれて平均貯蓄額は増加していました。

ただし、貯蓄を増やすには適切な計画や準備が必要になります。収入と支出を明確にしたうえで、「いつまでに」「いくら」貯蓄をしたいのか計画しましょう。

貯蓄をするためには、先取り貯蓄や固定費の見直しを実践してください。

貯めたお金を効果的に増やすには、金利の高い金融商品に長期投資をして増やしていくと良いでしょう。

参考資料

川辺 拓也