2024年度の公的年金は前年度比2.7%増額となりました。しかし、物価上昇率には追いついておらず実質的には目減りとなります。
そんな中、後期高齢者医療保険制度の保険料、介護保険料は増額。また、食品や生活必需品の値上げも相次いで行われており、可処分所得が増える気配を感じられない状況が続いています。
こうした中、家計や気持ちを支えるのが「貯蓄」ではないでしょうか。
備えが十分であれば安心して日々を過ごすことができます。本記事では、多くの世帯が年金生活を開始していると考えられる70歳代の貯蓄事情を「ひとり世帯」に焦点をあて覗いていきます。
老後生活を支える「国民年金」や「厚生年金」の年金月額についても一覧表でご紹介していきますので参考にご確認ください。
1. 【70歳代ひとり世帯】平均貯蓄額は1529万円・中央値は500万円
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より、70歳代・ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1529万円
- 中央値:500万円
1.2 【70歳代・ひとり世帯の貯蓄額】金額階層別の世帯割合
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.6%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
70歳代・ひとり世帯の平均貯蓄額は1529万円、より実態に近い中央値となると500万円まで下がります。
貯蓄額階層別の世帯割合を見ていくと、26.7%が貯蓄ゼロという結果に。
一時期話題になった老後2000万円問題をクリアするおひとりさまは25.5%です。
70歳代であれば、多くの世帯が年金生活を始めていると考えられます。すでに貯蓄を取り崩している世帯もあるでしょう。
しかし十分な貯蓄を確保できないまま老後を迎えた人も少なくないと考えられます。
貯蓄が少ない世帯は、年金収入だけで生活費をカバーできているのかもしれません。
では、すでに年金暮らしを送るシニア世代は、公的年金を月いくら受給しているのでしょうか。次章でチェックしていきます。