40歳代・50歳代・60歳代と年齢が上がるにつれて、貯蓄額の平均値や中央値は上がると同時に、世代間格差が広がります。
老後資金を準備するためには、iDeCoやNISAといった節税効果のある制度が気になるという方もいるのではないでしょうか。
新NISAが開始して間もなく3ヶ月が経とうとしていますが、「実は制度があまりわからず踏み出せない」という方もいます。
本記事では、40歳代・50歳代・60歳代の貯蓄平均額を解説。後半ではiDeCoやNISAの特徴も整理していきます。
ゴールデンウィークが始まるこのタイミングに、将来に向けた貯蓄について考えてみてはいかがでしょうか。
1. 40歳代・50歳代・60歳代の貯蓄平均と中央値。貯蓄額の分布を円グラフで見る
40歳代~60歳代※の貯蓄額の平均や中央値、そして貯蓄額の分布を一覧表とグラフでまとめました。
それぞれの平均値と中央値は次のとおりです。
※いずれも二人以上世帯の資料です。
【写真1枚目/全5枚】年代別・貯蓄額の平均値と中央値。2枚目以降の写真で「貯蓄額」を深堀り!NISAのポイントも1/5
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を参考に筆者作成
- 40歳代:平均値889万円・中央値220万円
- 50歳代:平均値1147万円・中央値300万円
- 60歳代:平均値2026万円・中央値700万円
平均値と中央値の乖離は年代と共に拡大します。
一部の層が年齢と共に大きく資産を伸ばす一方で、中央の順位にいる方の貯蓄額は平均値ほどには伸びないと推察されます。
それぞれの年代の貯蓄額の分布も見てみましょう。
1.1 40歳代の貯蓄額の分布
まず40歳代の貯蓄は次の通りです。
- 金融資産非保有:26.8%
- 100万円未満:9.6%
- 100~200万円未満:8.9%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:5.7%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:7.4%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.5%
- 2000~3000万円未満:5.3%
- 3000万円以上:6.5%
平均の889万円を上回る世帯は30%以下しかいない形となります。
また、金融資産非保有の世帯は26.8%もいます。
続いて、50歳代はつぎのとおりです。
1.2 50歳代の貯蓄額の分布
- 金融資産非保有:27.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:6.4%
- 200~300万円未満:3.8%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:5.4%
- 3000万円以上:11.2%
50歳代になると3000万円以上の貯蓄を有する世帯が10%を超えます。
また、ここでも平均値である1147万円を超える世帯は30%程度にとどまるようです。
金融資産非保有の世帯も引き続き27.4%と、40歳代と割合はあまり変わりません。
最後に、60歳代は次のとおりです。
1.3 60歳代の貯蓄額の分布
- 金融資産非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.5%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:6.8%
- 1500~2000万円未満:5.4%
- 2000~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
3000万円以上の資産を抱える世帯が20%を超えます。
また、およそ30%の世帯が、2000万円以上の資産を持った状態で60歳代を迎えていることがわかります。
一方で、金融資産非保有の世帯が21%おり、世帯間の格差が拡大した状況です。
ここでも、平均である2026万円を上回る世帯は30%以下ということになります。
次章にて、老後資金を準備するための二つの方法について見ていきましょう。
2. 老後資金を準備するための二つの方法
老後にゆとりある生活を送るために、次のふたつの制度の活用を検討したことがあるかもしれません。
- iDeCo
- NISA
両方併用するほど余裕資金がない方は、片方だけ実践する方も多いです。それぞれの特徴をまとめました。
2.1 iDeCo
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のひとつで、自分で拠出額と投資先を決めて運用できる年金制度です。
投資先は利用する金融機関が指定する投資信託や生命保険、定期預金などです。
その代わり拠出額は所得控除となり、
- 所得税の圧縮につながる
- 運用期間中の収益も非課税となる
など税制メリットがある制度となっています。
年金なので、特殊な事情がない限りは原則60歳まで引き出しができません。
デメリットである反面、相場変動や現金が欲しいときにうっかり引き出す心配がなく、着実に老後資金を貯めやすい制度です。
2.2 NISA
NISAは2024年から制度が変わり、つぎのようにまとまった老後資金をNISAの枠組みの中で構築できるようになりました。
年間360万円、生涯で元本1800万円まで非課税が適用されます。
市場環境が良ければ、NISAを満額利用するだけで充分な老後資金を貯められる可能性もあります。
非課税期間が恒久化されて、老後に向けた長期の資産運用にも適した仕組みとなりました。
3. まとめにかえて
年代別の貯蓄額を見ていきました。
平均額や中央値は年齢とともに上がりますが、個人間格差は開きやすくなります。年代ごとの時代背景などもあるでしょう。
今はNISAやiDeCoなど、選択肢が広がりました。
月々の余剰資金を積極的に貯蓄に回して、効率良く資産形成を進めましょう。
参考資料
太田 彩子