2. 55歳から「毎月3・5・7・10万円」の積立投資でいくら資産を築けるか

では、さっそく55歳から新NISAで「毎月3・5・7・10万円」の積立投資をした場合、65歳到達時までに用意できる資産額をシミュレーションしてみましょう。

なお、運用利回りは年率3%を前提とします。シミュレーションの結果は以下のとおりです。

新NISA積立投資シミュレーション

新NISA積立投資シミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」を基に筆者作成

2.1 【積立金額別】10年後の資産評価額

 毎月の積立金額:資産評価額(元本部分)

  • 3万円:419万円(360万円)
  • 5万円:699万円(600万円)
  • 7万円:978万円(840万円)
  • 10万円:1397万円(1200万円)

*運用利回りは年率3%を前提とする

毎月3万円の積立投資でも、419万円の資産を築けます。

さらに、毎月10万円の積立投資ができれば、1397万円もの資産の用意が可能です。元本部分は1200万円のため、投資により197万円も資産が増えています。

55歳からの積立投資は、決して遅くないことがわかるでしょう。

3. 運用利回りは資産額にどれくらい影響があるのか

先ほどのシミュレーションでは年率3%での運用を前提としましたが、実際の運用利回りは事前にわかりません。

そのため、運用利回りによってどれくらい資産評価額に違いが出るのかを知っておくことは重要です。毎月5万円の積立投資をした場合で、運用利回り別に資産評価額をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

新NISA積立投資シミュレーション

新NISA積立投資シミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」を基に筆者作成

3.1 【運用利回り別】月5万円の積立投資を続けた場合の10年後の資産評価額

 運用利回り:資産評価額

  • 年率1%:631万円
  • 年率2%:664万円
  • 年率3%:699万円
  • 年率4%:736万円
  • 年率5%:776万円
  • 年率6%:819万円

*元本部分は600万円

年率1%で運用した場合と年率6%で運用した場合とでは、資産評価額に188万円もの差があります。

運用利回りが資産形成において、いかに重要かがわかるでしょう。

運用利回りは経済状況や投資した商品の種類によって決まるため、投資商品を決定する際には過去の運用利回りなどを見て慎重に決定してください。

4. できるだけ早く老後に向けた資産形成を始めよう

本記事でシミュレーションしたとおり、55歳からでも新NISAでの積立投資で老後資金を用意することは可能です。

ただし、投資は早く始めるほど効果を得やすくなっています。そのため、55歳より若い人もできるだけ早く積立投資を始めることがおすすめです。

今から経済的にゆとりのある老後生活を目指して、準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

苛原 寛