現代では子ども2人が一般的な家庭なので、「皆やってるんだから、自分も家事も育児もしっかりしないと」と思い込んでいました。完璧なママや妻を目指し、アレもコレも頑張っては心身ともに疲れ果ててイライラする毎日でした。

3人目の産後は、逆にアレもコレも減らそうと諦めがつきました。洗濯物もハンガーとカゴ収納でほぼ畳みませんし、「昭和を考えれば何品も必要なし」と夕食もシンプルに。手の抜きどころがわかり、優先順位を決め、大切なことに重きをおくようになりました。

これに関しては、「3人目で始めたのでは遅過ぎた」と後悔しています。なぜ1人目から手を抜かなかったのか。大人1人で赤ちゃん1人のお世話をするのも大変です。もっともっと家事の手を抜き、子どもの前で笑顔でいたり、子どもの話を聞いたり、子どもとの時間を優先すればよかったと思います。子どもの心の栄養のためにも、これからももっと手を抜こうと思います。

3人目はただ可愛い

1人目は初めての育児に緊張し、2人目は初めての複数児育児にドタバタしたり、心を痛める場面もありました。3人目は育児にも、複数児にも慣れているので、ただただ「可愛い」と思うだけ。「3人目は孫のように可愛い」と言いますが、肩の力を抜いて可愛いだけで育児ができるように思います。

誰かに問題が起こるとき、誰かに癒される

3人いると、誰かに問題が起こるとき、他の誰かに癒されたり助けられたりします。

たとえば、上2人が兄弟喧嘩をしているとき。子ども2人のときは「どうにかしないと」と焦ったり、喧嘩を見ているこちらもイライラしていました。3人いると子どもが「喧嘩中の2人」と「喧嘩をしていない1人」になるので、見ている親にも冷静さが生まれます。3人目に癒されたり、一歩引いて見ながら上2人の話を聞くようになりました。

一方で、0歳と2歳の下2人のお世話が大変なとき。長女が泣いたり、次男がイヤイヤで怒っているときには、長男と「大変だね」「何であんなに怒ってるのかな」「どうしようか?」と話し合います。育児中に一番欲しいのが相談&話し相手ですが、その役を長男が担ってくれています。

次男は一番のヤンチャでムードメーカー。長男が入院したときには、暗いムードが漂う中、明るい彼に元気付けられました。三者三様で、それぞれに助けられていると思う日々です。

個性への意識が高まった

「子ども同士を比べてはいけない」と常々思っていますが、2人のときよりも、3人の方が自然と「比較より個性」と思えるようになりました。見事に3人とも、成長も性格も体質も好みもバラバラ。個性を尊重する意識が高まり、育児の肩の力も抜けたように思います。

「子どもが3人いると社会ができる」と言いますが、それは育てている親にとっても同じように思います。子ども同士の関わり合いで助けられることが増え、1人1人の個性を楽しむようになりました。

宮野 茉莉子