2. 学校のPTAについて、「強制はやめて欲しい」が最多

同調査では、「学校のPTAについてどう思うか?」をヒアリングしました。

【写真1枚目/全3枚】学校のPTAについてどう思う?「共働き世帯」はこんなに増えている!《2枚目で驚異的な増加率をチェック》でも変わらないPTA活動…

学校のPTAについてどう思う?

出所:SHUFUFU「学校のPTA役員についてどう思う?保護者200人に調査!3位「時代にあっていない」2位「外部委託するべき」1位は?」

上図のとおり、「強制はやめて欲しい」と回答した人が34.5%と最多、次に26%が「外部委託などするべき」と回答しています。

以下、「活動内容が時代にあっていない(12%)」、「PTA自体必要ない(11%)」と続きます。

一方、反対の意見として「必要な存在」、「みんな積極的に参加するべき」と回答した人がそれぞれ6%ずつという結果になりました。

自ら進んでPTAに参加したいと考える人は少数派であることが分かります。

2.1 学校のPTAに関するご意見

先ほどのアンケート項目で回答した方のご意見の一部を見ていきましょう。

PTA活動に賛同できない方のご意見

  • 共働き世帯には非常に厳しい
  • 学校の生徒が少なく必ず1度は役員をやらなければいけない。強制的にやらされることにとても疑問を感じる
  • 仕事や子供の習い事で都合がつかず、活動に参加することが難しい
  • 今の時代は共働きが多いし、できる限り委託して軽減した方が良い
  • 共働き・シングルで子育てしている家庭もある中での学校行事の参加は無理がきている
  • 保護者が学校内の行事、教師の指導内容に細かく口を挟む必要が無いと思う
  • コロナ禍でPTA活動がない時、特に必要性を感じなかった
  • 設立や運営に関して法的根拠がなく、任意団体のはずなのに、強制的に参加させられるのは納得いかない

PTA活動に賛同できる方のご意見

  • 親も学校と関わることができるので貴重な機会だと思う
  • 教員と対等に話し合える組織があれば安心。子ども優先で運営されているから
  • 学校行事運営などにおいて、先生方の負担が減るような活動はとても有意義だと思う
  • PTAは学校をよくするために、教師の他に生徒の親が参加をして変えていくことなので、積極的に参加をするべき

家庭環境はさまざまです。

現代ではフルタイムで共働きの世帯も多く、”強制的に”PTA活動へ参加させられることに身体的・精神的な負担を感じる方は少なくないでしょう。

一方で、学校側と協力して子どものためにより良い環境づくりや安全面の確保をしたいという思いからPTAの必要性を感じる人もいるようです。

全員が同じ意見をもつことが難しい中で、どう折り合いをつけるのがベストなのでしょうか。

外部委託を基本とし、保護者のサポートが必要な場合には希望者が任意で参加するなど、両者のバランスをとれると良いかもしれません。

3. 「共働き世帯」は専業主婦世帯の約2.3倍に

さて、学校のPTAに関するご意見においてキーワードのように頻出した「共働き世帯」。

実際に、共働き世帯はどれくらいあるのでしょうか。

厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書」によると、2022年時点の共働き世帯は1262万世帯で、専業主婦世帯539万世帯の2.3倍であることが分かりました。

共働き等世帯数の年次推移

共働き等世帯数の年次推移

出所:厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書」

1980年時点では共働き世帯614万世帯に対し、専業主婦世帯は1114万世帯と現在と逆の構図でした。

しかし、バブルが崩壊し始めた1992年を堺に共働き世帯が専業主婦世帯を追い越し、1995‐1996年は専業主婦世帯が増えたものの、以降は共働き世帯が増加。

その差は徐々に拡大していきました。

社会が変化し続ける中、変わらずに存在するものの1つとして「PTA」があります。

PTAの始まりは戦後。現代とは異なる家庭環境や社会情勢のもと生まれたものです。

PTAをどうすべきかの正解は分かりませんが、古くからあるものだからと当たり前に続けることには疑問を抱く人が少なくないでしょう。

3.1 ご参考:子育て世帯の世帯年収

ご参考までに、子育て世帯の年収もチェックしておきます。

厚生労働省「2022年(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2021年における児童のいる世帯の総所得は785万円でした。

所得には児童手当や財産所得なども含まれており、このうち稼働所得は721万7000円です。

また母子世帯では総所得が306万円でこのうち稼働所得は270万6000円でした。

4. まとめにかえて

本記事では、学校のPTAについてみんながどう考えているのかをアンケート調査をもとに確認してきました。

共働き世帯が多い現代。

平日の参観や懇談などで有給休暇を取得するなど、普段から時間のやりくりが大変な中、PTAに対して負担を感じる人は少なくないようです。

近年、PTAが外部委託されたという学校もちらほら耳にするようになりました。

”ずっとそうだったもの”を変えるには相当のパワーが必要となるかもしれませんが、時代背景に合った方法で子どもの成長をサポートしていきたいものですね。

参考資料

和田 直子