2018年4月6日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より77円90銭安の21,567円52銭となりました。

米中の貿易摩擦懸念が再燃、方向感を出しにくい展開

米中間の貿易摩擦懸念が依然としてくすぶっています。トランプ米大統領は5日(日本時間6日朝)、新たに1,000億ドルの中国製品の関税を引き上げる制裁の検討を指示し、中国もこれに対抗する姿勢を示しました。ただし、水面下では両国間で貿易戦争を避けるための交渉を進めているとされます。今後2か月間の交渉が行われますが、時間が限られている中で、どこで折り合いをつけるのか進捗が注目されるところです。

国際情勢は予断を許さない状況ながら、日本株は全面安といった状況でもなく、むしろ底堅さを感じます。特に、為替や景気動向などの影響を受けにくい不動産や食品など内需、デフェンシブ関連銘柄を物色する動きが広がっています。

来週以降の動きはどうなるでしょうか。米国では6日、3月の雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者数は前月比で10万3000人増と市場予想を下回りました。ただし、悪天候や2月に急増した反動との見方が多く、相場全体への影響は限定的でした。

6日のダウ工業株30種平均は前日比572ドル46セント安の23,932ドル76セントとなりましたが、雇用統計の結果よりも米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から、中国での売上高の高い銘柄を中心に売られました。

外的環境に大きな影響を受ける為替相場の動向には注意が必要です。6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日ぶりに反発し、前日比45銭円高・ドル安の1ドル=106円90銭~107円00銭で取引を終えています。米中貿易戦争などのリスクが高まると、安全資産とされる円が買われ円高になります。4日には一時、1ドル=105円台まで上昇しました。

ここしばらくは、外的要因により乱高下する方向感を出しにくい展開になりそうです。急な動きにも柔軟に対応できるよう備えたいところです。

200日移動平均線に続き、25日移動平均線も回復

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は200日移動平均線を回復したものの、25日移動平均線で上値を押さえられていました。今週、25日線を回復できるかどうかがポイントでした。

週初2日は一時25日線を上回るもののけっきょく終値では25日線を超えることができませんでした。翌3日も窓をあけて下落しました。しかし、直近で意識されやすい2月14日の安値(20,950円)、3月5日の安値(20,937円)付近でサポートされると反発、4日には窓を埋め、5日には25日線も回復しました。

下降トレンドラインが終了、2万2000円台も視野に入る

来週の動きはどうなるでしょうか。まずポイントとしては、25日線を回復するとともに、1月下旬から続いていた下降トレンドラインのチャネルの上限を突破したことです。つまり下降トレンドが終わりました。

ここから急上昇すると約束されているわけではありませんが、少なくとも3月26日の安値(20,347円)を割り込むまで、日足では下降トレンドは発生しません。反発を模索する流れになってきています。2万2000円台回復も視野に入ってきました。目線は上に持っていいでしょう。

直近の上値めどとしては、直近の戻り高値である3月12日の21,971円、意識されやすい22,000円になります。逆に下値めどは200日移動平均線(21,400円付近)や、2月中旬以降、4度にわたり下値をサポートされている21,000円付近になります。

下原 一晃