2. 確定申告を忘れていた!どうすればいい?
確定申告の期限が過ぎてしまったとき、焦ってしまう方も多いでしょう。ここからは、確定申告を忘れていた場合の対処方法について解説していきます。
2.1 自分から税務署に申告する
まずは、気付いた時点で税務署に申告しましょう。状況を説明して、遅れて提出することを伝えてください。
なるべく早めに、かつ自主的に申告をおこなうことによって、ペナルティを最小限に抑えられる可能性があります。
確定申告の期限が過ぎた後でも受け付けはしてもらえますが、ペナルティとして本来納める税金に加えて「無申告加算税」が加算されます。
「無申告加算税」は2種類に分かれており、割合は以下の通りとなります。
①税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合:無申告加算税率は5%になります。
②税務署の調査の事前通知後に期限後申告をした場合:原則として納税額のうち50万円までは15%、50万円を超える分は20%が加算税率になります。申告期限を過ぎてからでも申告はできますが、税金が上乗せとなります。
2.2 税務署からの通知が来てしまったら即対応する
確定申告の期限が過ぎてしまったことで、税務署から調査を受けて通知が来た場合、上記の無申告加算税の他に、納税が遅れた日数に応じた「延滞税」が加算されます。
どのくらいの延滞税がかかるのかは、国税庁のサイトからシミュレーションできます。
税務署からの通知前に自主的に期限後申告した場合は、無申告加算税の課税割合が5%まで軽減されることがあるため、やはり気付いた時点で申告することが大切です。
また、「期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること」、「期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること」など、すべての要件を満たしているときは、無申告加算税は課されないケースもあります。
2.3 確定申告を忘れたまま放置するとどうなる?
確定申告をする義務があるにもかかわらず、申告をせずに放置するとどうなってしまうのでしょうか。
確定申告をしないと先述した「無申告加算税」や「延滞税」などのペナルティが課せられる可能性があるほか、無申告や所得隠しは刑事罰に科せられる可能性があります。
税務署は銀行や請求書の情報などから、無申告や確定申告の内容の真偽について調査できるので、正しい情報を申告するようにしましょう。
また所得税の確定申告をしなかった場合、納付書が送られてこないので住民税の納付ができません。そのため税務調査を受けた際に、所得税だけでなく、住民税もあわせて徴収されることがあります。
住民税についても納付期限を過ぎてしまうと、最大で納税額の14.6%の延滞税が課される可能性があるほか、税務当局からの差し押さえなどのリスクもあります。
確定申告については原則として期限内に申告し、万が一忘れていた場合にはできる限り早く対応することを心がけましょう。
3. まとめにかえて
今回は、確定申告の申告を忘れていた場合の対処法と、遅れてしまったときのペナルティについて紹介しました。
確定申告の期限を過ぎても申告せず、放置していると税務署から延滞税などのペナルティを受け、本来支払うべき税金よりも多くの税金を支払わなければなりません。
期限後申告でも、条件によってはペナルティが軽減されたり、加算されないケースもあります。
まずは必要書類を揃えて、早めに税務署へ連絡するようにしましょう。
参考資料
- 国税庁「No.2020 確定申告」
- 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
- 国税庁「No.9205 延滞税について」
- 国税庁「延滞税の計算方法」
- 参議院「インターネット審議中継 2024年3月15日 予算委員会」
中本 智恵