2019年春に卒業を予定している大学生などの就職活動(就活)が本格的にスタートして早1カ月がたちました。経団連のホームページに掲載されている「採用選考に関する指針」によると、採用選考活動の開始時期については、広報活動は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、選考活動は「卒業・修了年度の6月1日以降」と示されています。一方で、昨年は6月1日に企業から内々定が出たケースも多数あったようです。
この是非はともかくとして、昨年早々に複数の内々定を手にした学生には一体どのような特徴があったのでしょうか。今回はそれを見ていきたいと思います。
レスポンスが速くて的確
コミュニケーション力が問われる、とはよく聞かれる言葉ですが、これは単に面接でのやりとりだけに留まりません。
たとえば、電話やメールでのやりとり、連絡後のフォローアップが速い、といったことも大きな要素だと言えるでしょう。実際にアルバイトの大学生とのやりとりを担当した経験があるというビジネスパーソンは「複数の学生と接してみると、きちんとレスポンスがある学生とそうでない学生の差はかなり大きかった。昨年すぐに内々定をもらっていた学生の印象はやはりかなりよかった」と話します。
これは、社会人になっても同じで、たとえ緊急ではない内容にしても、レスポンスがないと連絡した人は心配してしまうものです。こうした心配をさせることで、その後のコミュニケーションに影を落とすこともあります。採用のプロセスでは「将来一緒に仕事をしたい人物かどうか」という点も重要な判断材料になります。ちょっとしたことと思われるかもしれませんが、こうしたことで差がついている可能性もありえます。
一方、いくらレスポンスがよくても、内容が的外れでは本末転倒です。的確に返答する、と口で言うのは簡単ですが、実は意外に難しいもの。「デキる」と言われるビジネスパーソンでも完璧にこなせていると自信をもって断言できる人は多くないかもしれません。
別の見方をすれば、面接官とのやり取りの中で質問に対して的を射た回答ができるだけで評価は必然的に高くなるともいえます。学生はどうしても準備した内容を答えがちですが、予想外の質問が飛び出すこともあります。用意していた回答の組み合わせ次第で乗り切れることもあるかもしれませんが、それも臨機応変な対応ができてこそと言えます。