春の引っ越しや衣替えのとき、古くなった衣類を処分する人も多いですよね。もしも「もう捨てるしかない」という長袖の衣類が出てきたら、袖の部分を切り取って避難袋に入れておくといいでしょう。

避難所での生活が始まると、女性にとって必要な生理用品や授乳パッドなどが確保できないことがあります。衣類の袖の部分とぼろ布などを利用して、簡単な生理用品や授乳パッドを作る方法がありますが、現実問題として避難所で「古い衣類の袖をもらえませんか?」と、近くにいる人に頼むのは難しいものです。

紙製の生理用品や授乳パッドと違って、布製品は洗って使うこともできるので、避難時の負担にならない範囲で、袖の部分を切り取ったものを避難袋に入れておくと役立ちます。

災害時の連絡手段の確認を

進学したお子さんに、携帯電話やスマートフォンを持たせるというご家庭も増えるでしょう。その場合はぜひ、災害時の連絡手段についても確認しておきましょう。

被災地では電話がかかりにくくなることは、これまでに起こった災害でも知られています。携帯電話会社が提供する「災害用伝言ダイヤルサービス」の使い方を確認しておくだけでも、万が一のとき迷わずに行動できます。

また、離れて暮らすご家族が、振り込め詐欺などに巻き込まれる可能性もあるので、携帯電話やスマートフォンの番号やメールアドレスは、折に触れて確認し合うようにしましょう。

エンディングノートは「生き抜く」ためにある

エンディングノートを作成すると、ご自身やご家族にとって大切な情報を整理することができます。人生の終わりに作成するためのノートではなく、これからの人生を「生き抜くためのノート」と考え、必要な情報をまとめましょう。

引っ越しや模様替え、衣替えなどが忙しい季節ですが、新しい生活を送るための作業を進めながら、災害や急病など予期せぬ事態への備えも強化していけるといいですね。

河野 陽炎