4. 急に年金天引きがなくなるケースも
介護保険料や健康保険料、所得税などが年金から天引きされるお金について、年金は一度納付方法が決まってしまうと、途中で変わるケースは少ないとされています。
ただし、転居や年金支給のタイミングで特別徴収が止まり、普通徴収に切り替わる可能性もあるので注意が必要です。
納付を忘れてそのままにしておくと、延滞金が発生することもあるので、急に天引きされなくなった時は、各自治体へ確認してみましょう。
5. 【2024度】2.7%増額へ、厚生年金・国民年金のモデル年金額
年金額は毎年度改定されます。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。
5.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円。年金生活に入り、貯蓄の取り崩しに入る世帯も増えてくることでしょう。
年金に頼りすぎない、老後生活の資金計画を立てたいものですね。
6. 年金から「天引き」されるお金を理解しよう
年金から天引きされる税金は、所得税・住民税・介護保険料・健康保険料の4つです。
所得税は一定の所得に対して課税される税金なので、もらう年金が少ない場合は所得税がかからず、天引きされないケースもあります。
住民税は転居の兼ね合いで天引きがストップすることがあるでしょう。年金をもらう人の多くは、天引きの対象となるケースが多いです。
ねんきん定期便の記載された金額から、税金や保険料を引いた金額が支給額となることを認識しておきましょう。
6.1 【参考】厚生年金・国民年金の平均月額はいくら?
公的年金である「厚生年金」と「国民年金」では、受け取れる年金額が大きく異なります。
一例として、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の全体、男女別の平均月額は下記のとおりです。
【厚生年金】男女別・年金月額階級別受給権者数
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
【国民年金】男女別・年金月額階級別受給権者数
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
参考資料
荒井 麻友子