3. 年々増える富裕層。日本で富裕層が増えているのはなぜ?

日本では富裕層が増えています。ではなぜ日本で富裕層が増えているのか、「1億円以上の資産家(富裕層と超富裕層)」が保有する資産総額の動きから読み解きます。

富裕層および超富裕層の純金融資産は2019年(333兆円)から2021年(364兆円)の間に31兆円増えており、さらに2005年と比較した場合、151兆円も増えています。

さまざまな背景が考えられますが、その中の大きな要因として、株式などの資産価値が上がったことが挙げられます。

低金利が続く日本では、銀行預金だけで資産を増やしていくことは難しいのが現状です。

そんな中で、いち早く株式投資などをスタートした準富裕層たちが投資に成功し、結果的に富裕層以上に繰り上がったため、富裕層が増えてきていると考えられます。

「お金持ちほどお金に好かれる」という言葉はよく耳にしますが、とはいえ、資産をうまく動かして増やしていく術は私たちも見習っていきたいものです。

3.1 富裕層ほど「家族や銀行を頼る」?

同調査によると、富裕層のうち起業した人の8割以上が「起業前に家族の理解が重要であった」「金融機関などの信頼できる専門機関に相談したことがある」と回答しています。

新NISAの導入により、私たちにとっても資産運用が身近な存在となりましたが、投資にはリスクが伴います。

元銀行員の筆者ですが、富裕層などのいわゆる「お金持ち」のお客様のほとんどが、十分に家族と協議し、リスクを理解した上での投資を徹底しています。

また、日本の富裕層は、高度な教育や専門的なスキルを持っていることが多いです。「知識は身を助く」という言葉のように、事前に金融知識を身につけることで資産を築く基盤が整いやすくなります。

もしも資産運用に興味がある方は、家族や専門家を頼りながら、まずは情報収集から始めてみるのがおすすめです。

4. 富裕層の価値観を取り入れて無理のない資産運用を

今回は富裕層と定義づけられる「1億円以上の資産家」の割合や、富裕層が増えた原因について見ていきました。

富裕層は年々増えていますが、大きな資産は短期間で築けるようなものではありません。とはいえ、少額ずつでもリスクを取って運用することが、将来の大きな資産に繋がることもあります。

もしも皆さんが個人投資家として資産運用を始める際には、富裕層のように家族や専門家などの意見を聞いたり、投資への情報収集を怠らないことが、お金持ちへの第一歩かもしれませんね。

まずはご自身のライフプランに合った投資を検討することから始めてみましょう。

参考資料

中本 智恵