平昌五輪で女子カーリングは初の銅メダルを獲得

早いもので、日本人選手が大活躍した平昌オリンピックの閉会から3週間強が過ぎました。私たちを興奮させた様々なシーンは、まるで昨日のことのような印象があります。皆さんはどの競技、どのシーンが印象に残ったでしょうか。

銅メダルを獲得した女子カーリングも、多くの人に鮮烈な印象を残したのではないでしょうか。カーリングとしては史上初のメダル獲得となった上、日本にとって今大会で最後を飾る13個目のメダルになったのも記憶に新しいところです。

女子カーリングの「もぐもぐタイム」は大きな話題に

また、女子カーリングは競技結果以外でも大きな話題を提供してくれました。

その1つが、ハーフタイム(通称「もぐもぐタイム」)中に栄養補給として摂取していた“おやつ”です。選手たちが食べていた北海道のチーズケーキ菓子『赤いサイロ』は、テレビ中継の翌日に売り切れとなる大人気となりました。

美味しそうに頬張っていたイチゴに注目集まる

その「もぐもぐタイム」でもう一つ大きな注目を集めたのが、選手たちがおいしそうに頬張っていた苺(イチゴ)でした。イチゴは韓国で購入したようですが、あの大きな真っ赤なイチゴは、カーリングの試合内容と同じくらい話題になったようです。

あのイチゴを見て“あー、美味しいイチゴが食べたい”と思った人も少なくないのではないでしょうか。

なお、「もぐもぐタイム」で食べたイチゴが話題となった後、斎藤農水相が「以前に日本から流出した品種をもとに、韓国で交配されたものが主だ」と指摘し、日本の品種保護を強化していく方針を示すなど、ちょっとキナ臭い話が出たことも注目を集めました。

また、その後に国内で開催された競技大会では、JA全農から国産イチゴが提供されており、今はちょっとした“イチゴブーム”と見られます。

3月と4月はイチゴの年間販売の約50%を占める最盛期

スーパーマーケットの生鮮果物売り場に行くと、様々なイチゴが並んでいます。日本国内におけるイチゴの販売は、毎年11月に始まって翌年6月まで続くようですが、3~4月はまさしく旬と言えます。

実際、平成28年の統計数値によれば、イチゴの年間販売に占める3~4月分の割合は51%(数量ベース)、46%(金額ベース)に上りました。金額ベースがやや少ないのは、クリスマスケーキ向け需要が多い12月に高値を付けるケースが多いと推測されるためです。

減少傾向に歯止めがかからない国内のイチゴ消費量

ところで、国内のイチゴの消費量(消費量=購入量としています、以下同)はどのように推移しているかご存じですか?

結論から言うと、減少傾向が続いており、特にここ数年間は過去にない低水準となっています。まずはその推移を見てみましょう。左から、年、世帯当たり年間購入量、購入金額、100gあたり単価です。

  • 1986年:4,806(g)、4,442(円)、92.4(円/100g)
  • 1990年:4,511(g)、4,770(円)、105.7(円/100g)
  • 1995年:3,817(g)、4,509(円)、118.1(円/100g)
  • 2000年:4,060(g)、4,969(円)、122.4(円/100g)
  • 2005年:3,594(g)、4,153(円)、115.6(円/100g)
  • 2010年:2,952(g)、3,242(円)、109.8(円/100g)
  • 2011年:3,116(g)、3,376(円)、108.3(円/100g)
  • 2012年:2,515(g)、3,110(円)、123.7(円/100g)
  • 2013年:2,794(g)、3,287(円)、117.7(円/100g)
  • 2014年:2,567(g)、3,254(円)、126.8(円/100g)
  • 2015年:2,542(g)、3,353(円)、131.9(円/100g)
  • 2016年:2,269(g)、3,215(円)、141.7(円/100g)

注1)総務省「家計調査」1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格(2人以上の世帯)
注2)2000年以前は集計対象がやや異なるため完全な連続性はない

このように、購入数量、購入金額ともに減少傾向にあることが見て取れます。特に、購入数量の落ち込みは大きく、2016年は過去最低水準を更新し、確認できる範囲でピークだった1986年の半分にも満たない状況です。

一方で、単価は上昇基調が続いており、高級品への関心が強いことが伺えます。いずれにせよ、少なくとも統計データを見る限り、日本人は年々イチゴを食べなくなったと言えるのです。

摂取高が減っているのはイチゴだけではない