国内外で数が逆転

国内における近年の秋田犬の登録数は2000頭前後。それに対して、海外での秋田犬の登録数は2010年ごろから増え始めました。2016年には実に4000頭近くが登録され、国内での登録数を上回っています。

海外での登録数の多くを占めるのは中国や台湾で、特に中国では、大型犬である秋田犬を飼うことが富裕層のステータスにもなっているようです。また、イタリアでは「アキタカップ」と呼ばれる秋田犬の品評会が開かれ、毎年200頭近くが参加しています。

アメリカの愛犬団体「アメリカンケネルクラブ」が発表する人気犬種のランキングでは、秋田犬は46位となっています。レトリバーやブルドッグなどの代表的な犬種とまではいかないものの、海外で一定の根強い人気があることは確かなようです。

人気ゆえの悩み

公益社団法人である秋田犬保存会では、「秋田犬を日本の一文化として海外に発展させること」を目的に掲げており、プーチン大統領やザギトワ選手に贈られた秋田犬は、その希望を担っているともいえます。

一方で、海外に日本文化として広まりつつあるものの、先のデータからわかるように、国内における秋田犬は、次第にその数を減らしつつあります。加えて、海外での売買が盛んになったことにより、偽の血統書が出回る事例も増えているとのこと。保存会では血統書に透かし技術を取り入れるなどして対策を練っています。

「文化を守りながら発展させていく」というのは難しいことですが、クールジャパン政策を掲げる日本にとって重要な課題でもあります。国際化の中で、政治やビジネスの道具としてではなく、純粋な「文化」として国内での保護と海外への浸透を進めていけるのかどうか。こうした問題は、秋田犬に限った話ではないのですが、みなさんはどう思われますか?

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