4. 老齢年金の平均年金月額はいくらか
先ほど年齢別の平均年金月額をみましたが、全体の平均年金月額も確認しましょう。
4.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体では月14万円台となりましたが、男女別に見ると約6万円の差があります。
これは女性の方が男性に比べて賃金が低いこと、育児や介護などライフイベントで働き方が変わりやすいことなどが理由と考えられます。
4.2 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金の平均月額は5万円台で男女差はありませんでした。
5. 老後のお金に関する不安を抱えている人は約8割
株式会社ロイヤリティ マーケティングは、20歳~69歳の1000人を対象に「老後に関する調査」(実施期間:2023年11月14日~11月20日)を行いました。
この調査で、老後の生活について、「希望なし(「あまり希望はない」・「希望はない」の合計)」と回答した人は57%と半数を超えました。
性別・年代別では、30歳代の女性において「希望なし」と答えた方が70%と最多。
一方で、60歳代は男女ともに50%前後が「希望あり」と答えています。
また、老後の生活について「不安」「どちらかといえば不安」と回答した人は全体で80%を占めました。
不安を感じる内容は、「生活費や年金などのお金」が82%と最多。次いで「体力やケガ、病気などの健康(69%)」、「介護(自分自身)(52%)」が続きました。
「生活費や年金などのお金」に対する不安は、全ての性年代において80%前後でした。
老後対策が多くの人にとって重要な問題であることが分かります。
6. 老後に備えた貯蓄計画を
今回見てきたように、厚生年金と国民年金の平均年金月額は年齢によって違いが見られました。
ご自身の年金受給予定額については、ねんきん定期便やねんきんネットを確認しましょう。
公的年金だけで足りない場合には、「公的年金を増やす」「私的年金を増やす」「長く働き続ける」「貯蓄をする」「資産運用をする」などさまざまな選択肢から、老後資金対策をおこなうことが大切でしょう。
今回の統計を参考に、ご自身に合った老後資金計画を考えてみてください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- PRTimes「株式会社ロイヤリティ マーケティング「老後の不安とお金に関する調査を実施/老後の生活への「希望なし」が半数を超え、「希望あり」を上回る」
和田 直子