皆さんは老後生活について十分な対策をされていますでしょうか。
生命保険文化センターが行った調査によると、自分の老後生活に「不安感あり」とした人の割合は82.2%と8割超の人が老後生活に対して不安を抱えている結果になっています。このうち、「非常に不安を感じる」という不安の程度が高い人が17.5%となっています。
近年の物価上昇によって家計が圧迫されており、老後生活について不安に感じる人が増えています。
2019年に「老後2000万円問題」という言葉が話題になりましたが、安定した老後生活を送るためには「2000万円」のみならず「4000万円」の準備がないと安心できないとまで言われ始めています。
では、実際に老後生活を見据える60歳代はどのくらいの貯蓄額を保有しているのか見てみたいと思います。セカンドライフを考えるうえでの参考にしてみてください。
1. 「60歳代・貯蓄4000万円以上」の世帯は全体の約18%
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)ー2022年(令和4年)平均結果」によると、60歳代における貯蓄割合は以下の結果となりました。
1.1 60歳代の貯蓄高の分布
- ~100万円未満:8万88世帯(6.99%)
- 100万円~:4万2726世帯(3.73%)
- 200万円~:3万4326世帯(3.00%)
- 300万円~:2万9066世帯(2.54%)
- 400万円~:3万284世帯(2.64%)
- 500万円~:3万2533世帯(2.84%)
- 600万円~:3万732世帯(2.68%)
- 700万円~:3万3043世帯(2.88%)
- 800万円~:3万8922世帯(3.40%)
- 900万円~:2万5797世帯(2.25%)
- 1000万円~:7万107世帯(6.12%)
- 1200万円~:5万4300世帯(4.74%)
- 1400万円~:3万9877世帯(3.48%)
- 1600万円~:3万9816世帯(3.48%)
- 1800万円~:4万4619世帯(3.89%)
- 2000万円~:9万6900世帯(8.46%)
- 2500万円~:8万930世帯(7.06%)
- 3000万円~:13万4127世帯(11.71%)
- 4000万円~:20万7478世帯(18.11%)
貯蓄4000万円以上の世帯割合は全体の18.1%でした。60歳代のうち、約5世帯に1世帯が貯蓄4000万円以上を保有しているという結果になりました。
貯蓄2000万円以上に世帯割合を広げてみると、全体の45.4%を占める結果となり、一方で貯蓄1000万円以下の世帯割合は、全体の44.3%でした。
上記から、現代では「貯蓄が十分にできている世帯」と「貯蓄ができていない世帯」がはっきりと分かれる結果となりました。