2. 副業が会社にバレる糸口は「住民税」、その仕組みとは
副業は一般的に、本業の勤務先とは別の場所で事業にあたるケースがほとんどを占めているかと思います。
しかし「収入=所得の発生」となり、支払う税金にも関係してくるため見過ごすことはできません。
副業で収入を得る主なケース2つの、本業の勤務先への糸口をそれぞれ確認していきましょう。
2.1 【副業】個人による事業所得:「事業所得の損失を給与で相殺しました?」
本業のほかに、クラウドソーシングの利用や個人契約の締結などをきっかけにして、WEBデザインやプログラミング、コピー・シナリオライティング、SNS運用などによる事業所得を得ているケースが見受けられます。
原則、副業による事業所得が1年間で20万円を超えると確定申告が必要です。逆をいえば、20万円以内であれば確定申告は不要ということ。
しかし、これは所得税の話であり、住民税は1年間の所得が20万円以下でも申告する必要があります。
事業の運営状況によっては赤字(損失)が出ることもあるでしょう。給与所得の利益と事業所得の損失を通算すると、所得金額を少なくできます。
所得金額が減った分だけ支払う税額も抑えられ、そこにギャップが生じるのです。
そして本業の勤務先で把握している所得金額から導き出される住民税額よりも実際の住民税額の方が少ない場合、事業所得などの損失を給与所得と相殺したのではないかと推測され、副業がバレる原因となります。
2.2 【副業】パートやアルバイト:「給与以上の住民税を支払っていますか?」
時給制のアルバイトや会社員など、企業に所属して勤めている人は、原則給与から天引きすることで住民税を納める「特別徴収」のシステムが採用されています。
住民税は前年の所得を元に各自治体で算定されます。そして本業の企業と本人に「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書」が送付され、特別徴収の手続きがなされる流れが一般的です。
本業の企業での所得は年末調整により確定しますが、副業で得た所得については確定申告をすることになります。その結果、1年間の所得が増え、それに伴い住民税の税額も高額になります。
先にお伝えした通り、本業の勤務先にも通知が届いています。給与に見合った金額以上の住民税を納めていることに気づいた場合「本業とは別の収入があるのでは」と推測されて副業がバレるです。
どちらにせよ、副業がバレる糸口は「住民税」であるとわかります。
3. 本業の勤務先の「就業規則」をチェックして、必ず許可取りを
勤務先にばれたくないことを理由にコソコソ副業するのではなく、本業の勤務先が副業を禁止しているのかどうかを「就業規則」であらかじめ確認しておきましょう。
後ろめたい気持ちで仕事をするよりも本業の勤務先に太鼓判を押してもらい、スッキリと業務にあたった方が副業だけでなく生活そのものが豊かになるはず。
自分の生活には何が必要なのか、その優先順位をしっかりと考えたうえで副業や投資の選択をしていきたいものです。
参考資料
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
- 国税庁「スマホで確定申告(副業編)」
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
- 港区ホームページ「給与の他に原稿料が15万円ほどありました。住民税(特別区民税・都民税)の申告はする必要がありますか。」
- 国税庁「No.2250 損益通算」
山本 大樹