2. イタリアで花を贈るタイミング その2.洗礼式をはじめとする宗教行事に花を贈る
イタリアは、キリスト教に関連する行事がたくさんあります。
たとえば、キリスト教徒として初めての儀礼となる洗礼式にも、花を贈ることがよくあります。
生後数か月で行われることが多い洗礼式には、白を基調としたパステルカラーの花を贈るのが一般的。季節にもよりますが、ユリやスズラン、紫陽花などを中心に、主役となる幼児の性別も考慮して、淡い色合いでまとめます。
また10歳前後には、子どもたちが白い衣装で参加する聖体拝領式が行われます。この場合も、白を基調にした花を贈ることが多いといわれています。
こうした際の花束には、受胎告知のシーンによく登場する白百合、純粋さの象徴といわれる白の小バラなど、品格を持つ花をよく目にします。
3. イタリアで花を贈るタイミング その3.卒業は人生における一大行事!どんな花を贈る?
イタリアの大学卒業は、同学年の学生が揃って行うものではありません。
大卒のタイトルを持つ割合が日本よりかなり低いイタリア。大学卒業のタイトルは、厳しい卒業試験を突破した若者のみに与えられる、大変な名誉なのです。
そうしたこともあり、大学卒業の栄誉に輝いた人は、月桂冠をかぶる習慣があります。
月桂樹はラテン語で「Laurea」といいますが、月桂冠は古代ギリシアでは叡智の勝利者に与えられるものとされていました。イタリア語では「卒業」を「Laurea」と呼ぶほど、大卒のタイトルは重んじられているのです。
この人生の一大行事に贈る花は、華やかさが重要な要素。
深紅のバラやチューリップ、太陽を思わせるひまわりなど、人生の新しい門出にふさわしい花々がプレゼントされます。
4. イタリアの人々の大切なイベントは、美しい花々とともに
イタリアの人々は、人生の節目となるさまざまなイベントを、それぞれに合った美しい花々で彩ります。
喜びや幸福の象徴として、生活の隅々に飾られる花たち。花屋さんの店先には、今日もそんな花を選ぶ幸せなイタリア人の姿があります。
「花を贈る」という行為に、ちょっと気後れしたり、気恥ずかしさを感じるという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、大切な人への心を込めた「花のプレゼント」は、ちょっぴり贈るハードルが高いからこそ、お互いにとって素敵な思い出になるのかもしれませんね。