2024年度の年金額が1月下旬に公表されました。
2024年度もプラス改定となる見込みですが、近年では物価上昇も著しいことから実質的な目減りになるとされています。
次回の年金支給は4月ですが、2024年4月の年金振り込みは「まだ2023年度分」であることをご存知でしょうか。
本記事では、年金支給の仕組みについて詳しく解説しています。
2024年度の年金額改定についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 2024年度の年金額はプラス改定へ
厚生労働省の「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」の発表によると、2024年度の年金額例は下記のようになっています。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
- 厚生年金:23万483円(夫婦2人分・国民年金を含む)
国民年金は満額受給を想定した1人分の金額となっており、厚生年金は夫婦2人分の額で、国民年金を含む標準的な年金額となっています。
厚生年金のモデル夫婦となる内訳は下記のようになっています。
- 夫:平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で40年間就業した場合の厚生年金
- 妻:国民年金(老齢基礎年金)を満額受給
夫の収入や就業期間が限定的であるうえ、妻が専業主婦であることが想定されているため、共働き世帯の多い現代では、上記の年金額の例が全ての世帯に当てはまるわけではなさそうです。
2. 2024年度分の年金支給は4月からスタートするわけではない
次回の年金支給月は2024年4月ですが、改定された年金を受け取れるのは「4月」ではなく「6月」となっています。
つまり、4月支給の年金は「まだ2023年度分」ということになります。
そもそも公的年金は、偶数月に2ヶ月分が支給されます。
偶数月に支給される年金は「前月分」と「前々月分」となるため、2024年度4月支給の年金は「2023年度2月分」と「2023年度3月分」の年金が支払われるのです。
参考として、直近1年間の年金支給日と対象月を確認しておきましょう。
2.1 年金対象月ごとの支給日(2024年~2025年)
- 2024年4月15日:2024年2月分、2024年3月分
- 2024年6月14日:2024年4月分、2024年5月分
- 2024年8月15日:2024年6月分、2024年7月分
- 2024年10月15日:2024年8月分、2024年9月分
- 2024年12月13日:2024年10月分、2024年11月分
- 2025年2月14日:2024年12月分、2025年1月分
- 2025年4月15日:2025年2月分、2025年3月分
このように、年金の支給月と対象月は若干ずれています。
4月支給の年金はまだ2023年度分であり、改定後の年金支給の開始月は6月(2024年度4月分・5月分)となるため覚えておきましょう。