2. 差を感じ始める幼児期に自信をつけることがカギ
早生まれの子を育てていて感じたことは、乳幼児期の体格差だけでなく運動面そしてハサミや折り紙といった工作活動の差が明らかにある点です。とくに保育施設で運動やお絵描き、工作をすると「得意な子」との違いを子どもながらに感じ、苦手意識を持ったり「自分は下手だから」と知らず知らずのうちに劣等感を抱くようになります。
保育施設で自信を失い家でも親から「できない子」とレッテルを貼られてしまえば、早生まれの子はどこで自信をつけることができるでしょうか。一度抱いた感情を払拭するのは大変です。家庭でハサミの練習、工作活動をたくさん行い「真っすぐ紙を切れたね」「上手にのりをつけられたね」と些細なことでも努力したことを褒めるようにしましょう。
他の子と一緒に過ごすことが増えてくると、子どもなりに違いを感じるようになります。その時に普段から「親から褒められている、励まされている」という子は「違いはあるけど頑張る」と自分なりに努力をすれば上達するという強い気持ちを持つようになります。
小さい頃の親の言動が子どもに与える影響は大きいです。決して他の子と比べず、生まれ月を大きなハンデとするような言動を控えて「少しずつできている」という実感を感じさせる声がけを意識してください。
3. 少々の先取り学習で学校の授業を「復習」にする
早生まれの子を持つ親の一番の心配事は、幼児期の文字の読み書きや学校の授業の理解度ではないでしょうか。
文字の読み書きに関しては個人差が大きく、一概に生まれ月でハッキリ差が出るわけではありません。しかし、鉛筆を持って文字を書くには手の力も必要です。
早生まれで力が弱いから早めに書けるようにしようと焦り、無理に文字の練習をさせてしまうと子どもは「文字を書くのは辛い」と思うようになります。
文字を書くことは全ての教科に必要なことで、学びには不可欠な動作です。嫌いになると勉強が面倒なものと捉えてしまうので、文字練習は子どもの興味や手の力を確認してから取り組むようにしてください。
1年生の夏休み前後から本格的に漢字練習もスタートするので、漢字習得のためにも「文字を書くのは嫌い!」とならないよう細心の注意を払いましょう。
また、就学に備えて、年長の冬頃から市販の就学準備ドリルで勉強する習慣を身につけつつ、「学校の勉強が復習になる」という程度に先取り学習をしておくと「この問題分かる!」という経験を積むことができます。
自信をつけるだけでなく復習になるので、知識の定着強化にもつながります。先取りをしていても本当に子どもが理解しているか親は分からないこともあるので、あまり進め過ぎないようにしないのがポイントです。