天引きされる保険料。保障や給付の確認を
給与から否応なしに天引きされる保険料に対し、「病院にかかっていないのに損した気分」と感じる方もいるでしょう。
確かに支え合う制度のため、助かる人もいれば払うだけの人もいるかもしれません。
ただし、いざというときの出費に備える制度のため、やはり健康保険や雇用保険は必要性が高いものといえます。
また、意外にも使えていない給付内容があるかもしれません。
健康保険
公的な健康保険制度は、病院の受診が自己負担3割(年齢や所得に応じて1割~2割の場合あり)になるだけのものではありません。
たとえば入院や手術などで医療費が高額になったとき、一定以上は払わなくて済む「高額療養費制度」があります。
また、出産一時金や傷病手当金なども、大きな金額に備えるための心強い制度です。
年に一回の健診や、オプションで受けられる生活習慣病予防健診の自己負担額も抑えられるメリットがあります。
雇用保険
雇用保険は失業保険とも呼ばれていましたが、失業時の給付が全てではありません。
例えば仕事で使えるスキルをもっと磨きたい場合、教育訓練給付金が受けられます。教育機関の講座や通信教育講座などの費用を補助してくれる制度です。
また、育休中の手当も雇用保険から支給されます。
「払った分の恩恵が受けられない」と不満に思うこともあるかと思いますが、見逃している制度がないか、一度確認してみてはいかがでしょうか。
給与から引かれる保険料も意識する
毎月の給与からは、驚くほどのお金が天引きされるものです。
額面と手取りが一致しないのは当然ですが、天引きされるお金がじわじわ増えていることに気づいていない方もいます。
まずは給与明細を確認する習慣からつけてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 協会けんぽ「令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)」
- 協会けんぽ福井支部「令和5年度 協会けんぽ福井支部 健康保険料率 9.91%」
- 厚生労働省「令和5年度雇用保険料率のご案内」
- ハローワーク「雇用保険制度の概要」
太田 彩子