3. 厚生年金「月15万円」を受給する人はどれくらいいる?
厚生年金を「月15万円」受け取る人は、どれくらいいるのでしょうか。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の「月額階級別の受給者数」は下記のとおりです。
上記表の厚生年金受給者の「総数」は1599万6701人なのに対して、「月額14〜15万円の受給者数」は99万4044人なので、約6.2%の人が平均月額程度の年金を受け取っていることがわかります。
また、厚生年金が「月額15万円以上」の割合は、下記のとおりです。
- 厚生年金受給権者:1599万6701人
- 厚生年金を月額15万円以上受け取っている人:737万6574人
- 737万6574人÷1599万6701人=46.1%
上記から、厚生年金として月額15万円以上を受け取っている人は半数以下であり、2人に1人以上は月15万円に満たない年金収入であることがわかります。
現役時代の給与と比べると、年金収入「月15万円」は物足りないものとなるでしょう。
4. 年金の額面金額と手取り金額の違いに注意!
前章で確認した年金額は「額面での金額」であり、実際に受け取れる金額はこれよりも少なくなる可能性があります。
なぜなら、日本の公的年金は「収入」にあたるため、現役時代と同様に税金や社会保険料が天引きされるからです。
つまり、「額面の金額」は税金や社会保険料が天引きされる前の状態であり、天引き後に実際に受け取れる金額「手取り額」とは異なる点に留意しておきましょう。
公的年金から天引きされるお金は、以下の4つです。
- 所得税と復興特別所得税
- 個人住民税
- 介護保保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
各自治体によって、年金から天引きされる税金や社会保険料の内容が記載されているところもあるため、気になる方はお住まいの自治体ホームページで確認してみることをおすすめします。
おおよそではありますが、額面の85~90%程度が手取り額となると考えておくと良いでしょう。
5. まとめにかえて
本記事では、厚生年金の平均受給額と割合について確認してきました。
厚生年金月15万円が多いか少ないかで見ると、多い方に属すといえるでしょう。
しかし、長い老後生活を送る上で十分な収入かというと、そうとはいいきれません。
まずはご自身の年金見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみてください。
少ないなと感じた場合には、年金以外の老後対策を進めていきましょう。
参考資料
和田 直子