LIMOが2023年03月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年03月18日)

みなさんは「老後の生活」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?

「老後は年金収入だけで悠々自適な暮らしができる」昭和のひところであればそんな理想の老後はごくありふれた光景だったでしょう。

しかし、いまはどうでしょう?止まらない物価高、上がらない賃金、そして漠然とした年金不安。定年退職後も再雇用や再就職を通じて長く働き続ける人も増えています。

本日は現在のシニア世代の厚生年金受給額事情を紐解きながら、老後へのお金の備え方についてお話ししたいと思います。

1. 公的年金は2階建て「老後の年金収入」のしくみを整理

まずは年金の制度について整理しましょう。

日本の年金制度は「2階建て」の構造と言われるように、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2つの年金制度から成り立ちます。

原則65歳から受給する老齢年金は、「国民年金のみ」を受取るケースと、「国民年金と厚生年金」を受取るケースに分かれます。

日本の年金制度は「2階建て」

日本の年金制度は「2階建て」の図版

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

まず、日本に住む20~60歳未満のすべての方は、原則として国民年金(基礎年金)に加入します。このうち、第2号被保険者である会社員や公務員等は、2階部分の厚生年金にも加入するという仕組みです。

そのため、厚生年金を受給できるのは全員とはなりません。自営業や無職、専業主婦の方などは、将来国民年金のみの受給となるのです。