3. 住民税非課税世帯でも資産が多いと対象外「認定の要件と特養費用について」
負担限度額認定制度を受けるには、以下の3つ全てを満たす必要があります。
- 本人及び同一世帯全員が住民税非課税である
- 本人の配偶者(別世帯も含む)が住民税非課税である
- 預貯金等合計額が、基準額以下である(※)
※基準額については、以下の一覧表を参照
3.1 【一覧表】特別養護老人ホーム「利用者負担段階と負担限度額」
上記の表は、特養の負担限度額を示しています。第1段階が最も軽減を受けられ、第4段階は負担が大きくなる仕組みです。
【一覧表】特別養護老人ホームの利用者負担段階別「所得・資産の条件」
■第1段階
- 世帯全員が住民税非課税の人で、老齢福祉年金受給者の人
- 生活保護を受給されている人
- 預貯金などの資産が、単身1000万円以下、夫婦2000万円以下
■第2段階
- 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円以下の人
- 預貯金などの資産が、単身650万円以下、夫婦1650万円以下
■第3段階(1)
- 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下の人
- 預貯金などの資産が、単身550万円以下、夫婦1550万円以下
■第3段階(2)
- 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人
- 預貯金などの資産が単身500万円以下、夫婦1500万円以下
第4段階
- 上記以外の人
例として、第1段階の人は1日の食費について、300円以上の負担はありません。300円を超える食費は介護保険から支払われます。居住費については、複数の入居者が同じ部屋で生活する多床室なら0円です。
ここで注目したいのは、第4段階の対象となる人の場合です。特養では、個室対応を受けられる「ユニット型個室」の居住費がもっとも高くなります。多床室と比較すると、ユニット型の費用が高額であることは明らかです。
3.2 第4段階で「ユニット型個室」にした場合の月額費用はどのくらいになる?
例)第4段階の人が「ユニット型個室」に入居した場合の負担限度額は以下の通りです。
- 居住費:2006円×30日=6万180円
- 食費:1445円×30日=4万3350円
- 介護サービス費:1カ月 2万5000円 (介護度によって異なる)
合計:12万8530円
上記に加えて、施設によっては「サービス加算」も必要になります。これは施設でリハビリや看取りケアを実施した際に発生するものです。
介護サービスや人員配置が充実している特養では、合計の利用金額が16~17万円必要になる場合も珍しくありません。
つまり「安い」とされる特養においても、資産や収入、部屋のタイプによっては高額となるケースがあるのです。