国家公務員の定年退職金は勤続年数が長いほど上昇
国家公務員の定年退職金は、勤続年数に応じて上昇していきます。
内閣官房の退職金に関する調査では、勤続年数別の退職手当平均支給額は下記のようになりました。
【常勤職員の場合】
勤続年数:平均支給額
- 5年未満:157万2000円
- 5年~9年:413万9000円
- 10年~14年:694万2000円
- 15年~19年:1139万1000円
- 20年~24年:1221万1000円
- 25年~29年:1617万6000円
- 30年~34年:1975万8000円
- 35年~39年:2299万9000円
- 40年以上:2235万円
上記のとおり、勤続年数が長いほど退職金額が増加していきます。
勤続35年以上で定年退職を迎えると2000万円以上の退職金が支給される可能性が高くなると考えられます。
会社員の定年退職金はいくら?
前章では、公務員の定年退職金の相場について紹介しました。
では、大企業や中小企業に勤める会社員の定年退職金はどのくらいあるのでしょうか。
中央労働委員会の調査データによると、資本金5億以上かつ労働人材が1000人以上の企業のモデル退職金は、大学卒・高校卒それぞれ下記の結果となりました。
【会社員の定年退職金】
- 大学卒:2563万9000円
- 高校卒:1971万2000円
一方で、東京都産業労働局の調査データによると、企業規模が300人未満の企業の定年退職金は下記の結果となりました。
【企業規模別:会社員の定年退職金】
《企業規模10~49人》
- 大学卒:979万3000円
- 高校卒:880万3000円
《企業規模50~99人》
- 大学卒:1141万8000円
- 高校卒:1065万9000円
《企業規模100~299人》
- 大学卒:1323万
- 高校卒:1204万5000円
上記のとおり、企業規模が大きいほど退職金が高いことが分かります。
まとめにかえて
今回は公務員の退職金事情を中心に、一般企業に勤める会社員の退職金事情についても詳しく見てきました。
記事の中で見てきたデータのとおり、公務員に限らず大企業の会社員の場合は、定年まで長年勤めると退職金として2000万円以上のお金を受け取れる可能性は高いです。
一方、中小企業の場合は学歴などによって退職金額に大きな差が生じることや、企業自体が退職金制度を導入しておらず、そもそも退職金を受け取ることができないなんてことも珍しくありません。
また、中小企業の場合は公務員や大企業に勤めた方と比べると一般的に退職金の金額は低い傾向にあります。
これだけを見ると、公務員や大企業に長く勤めればまとまった退職金を受け取れ将来は安泰と感じるかもしれませんが、今は退職金の金額自体が年々減少傾向にあります。
そのため、公務員や大企業に勤めている方であっても退職金と年金以外の老後資金準備をしているという方は少なくありません。
今の時代は退職金の有無に関わらず、「老後の生活資金」を早い内から準備しておくことが必要不可欠と言えるでしょう。
参考資料
- 人事院「国家公務員の数と種類」
- 内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」
- 東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」
- 厚生労働省 中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査」
- 厚生労働省「退職給付(一時金・年金)の支給実態 」
鶴田 綾