3. 50歳代の年収はいくらか
では、50歳代の平均年収はどれほどなのでしょうか。
dodaの「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】」によると、50歳代(正社員)の平均年収は下記の通りです。
- 50歳:546万円
- 51歳:559万円
- 52歳:581万円
- 53歳:588万円
- 54歳:613万円
- 55歳:615万円
- 56歳:634万円
- 57歳:643万円
- 58歳:675万円
- 59歳:727万円
男性平均は674万円、女性平均は434万円でした。もし夫婦共働きで平均的な年収を稼いでいる場合、世帯収入は1108万円。
しかし、実際には居住地や業種等で大きく異なります。例えば職種別の平均年収を見ると、次のとおりになりました。
- 企画/管理系:812万円
- 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人):737万円
- 技術系(IT/通信):717万円
- 営業系: 686万円
- 技術系(電気/電子/機械):658万円
- 金融系専門職:632万円
- 技術系(建築/土木):566万円
- クリエイティブ系:540万円
- 技術系(メディカル/化学/食品):533万円
- 販売/サービス系:422万円
- 事務/アシスタント系:417万円
収入事情が異なる上に、家族構成や居住地によって支出状況も異なるものです。
子どもの人数や進路先によって、教育費の違いも数百万円の差が出てくるでしょう。
こうした個人差は、老後にも続きます。つまり、必要となる老後資金は世帯によって当然ながら異なるのです。
4. 老後を見据えた貯蓄計画
これまで50歳代・二人以上世帯の「貯蓄3000万円以上の割合」と平均・中央値を確認してきました。
同年代の貯蓄事情を比べて「ウチの貯蓄は少ない」「ウチは多いから安心」と感じられた方もいるでしょう。
貯蓄の平均や割合は「貯蓄のモチベーションを上げる」のには有効ですが、そのまま「貯蓄の目標額」にすることはできません。
- 定年退職後も働くつもりか
- 年金収入はいくらの見込みか
- 子どもの結婚資金や住宅資金は援助するつもりか
- 子ども世帯から仕送りをもらう予定か
- 支出額は今より減らせるか
- いつかは介護施設に入るつもりか
など、それぞれの状況に照らして「収入と支出」をシミュレーションすることが第1のステップとなります。
そして足りない分に「老後として想定する期間」をかけることで、およその老後資金目標ができるのです。
さらに、老後のスタート時期を自分で決め、それまでの期間を逆算して今から貯めていく必要があります。期間が短いほど積立額が多くなり、強い意志が必要になるでしょう。
強い意志に自信がないという方は、「先取り貯金」として自動的に貯まる仕組みを作ってしまうのもひとつです。預貯金だけでなく積立投資もその一つとなります。
2024年には新NISAがスタートしましたね。
全てを資産運用に回すのはリスクが高いですが、貯蓄の一部に、新NISA制度を利用して積立投資をはじめるのも選択肢の一つとなるでしょう。
5. まとめにかえて
他の家庭の貯蓄額はどうしても気になるものです。3000万円以上を保有する割合に驚いた方もいるでしょう。
しかし、本当に必要な金額やその準備方法は、家庭によって異なるものです。
これを機に、2024年のご家庭に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。
5.1 【ご参考】50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100~200万円未満:5.8%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:5.1%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:5.0%
- 700~1000万円未満:5.7%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
参考資料
太田 彩子