2月15日は、2024年最初の年金支給日です。
老後生活を支える柱となる「国民年金」や「厚生年金」。しかし、平均受給額は国民年金が5万円台、厚生年金が14万円台と「柱」と呼ぶには心もとない収入といえそうです。
現役世代の人たちは、将来訪れる老後に向けてこの「柱」を増やしていく必要があります。その一つとして「貯蓄」があげられます。
今回は、老後対策を行う上でヒントにしたい70歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例をみていきます。
1. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロ(非保有)は何パーセント?
70歳代・二人以上世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄ゼロの割合
- 18.7%
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1905万円
- 中央値:800万円
貯蓄ゼロは約2割となりました。
年金受給開始は一般的に65歳からとなりますので、すでに貯蓄の取り崩しが進んだ結果かもしれません。
とはいえ、備えがない状態で過ごす毎日は不安が大きいでしょう。
2. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくら?
では、年金は月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
※国民年金部分を含む
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。
国民年金のみを受給する場合は月額5万円程度の収入となります。
現役時代に会社員や公務員など厚生年金に加入していた方は、国民年金に上乗せする形で厚生年金を受け取ります。
平均月額は14万円台と国民年金のみの場合と比べると手厚い印象を受けますが、「これだけあれば十分」とは言い切れないかもしれません。
なお、年金額は個人差がありますので「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の見込額を確認しておきましょう。