2018年2月14日に行われた、株式会社ジーニー2018年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料
スピーカー:株式会社ジーニー 代表取締役社長 工藤智昭 氏
1-1. 沿革・売上高の推移
工藤智昭氏(以下、工藤):お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。2018年3月期第3四半期の決算説明をいたします。
最初に、本日初めてジーニーのことを知るという方もいるかと思いますので、会社の説明からさせていただきます。
こちらが沿革と、売上の推移のグラフになっています。
創業から、アドテクノロジーやマーケティングテクノロジーの事業ドメインに次々参入をしていっています。
前期は実績として117億円の売上を出しました。今期は148億円の売上を計画しています。
アドテクノロジーやマーケティングテクノロジーなど、さまざまな領域に参入しながら、東南アジアの各国に参入を進め、事業の成長を加速しています。
我々が創業から行っている「GenieeSSP」という事業ドメインは、現在国内トップのシェアを持っています。
1-2. 事業内容①
弊社の中で、事業内容は、大きく2つの事業ドメインに分かれています。
1つはアド・プラットフォーム事業ということで、いわゆるアドテクと言われる市場のセグメントになっています。
広告主の予算を最適化する「GenieeDSP」と、インターネットメディアやインターネットアプリの広告を高収益にマネタイズする「GenieeSSP」と、主に2つのプロダクトから成り立っています。
また、2年ほど前から、マーケティングオートメーション事業の「MAJIN」というプロダクトを展開しています。MAJINは、企業のマーケティング、営業活動などを自動化、AI化していくプラットフォームです。
1-2. 事業内容②
我々の強みの1つが、OEMです。自分たちの強みは「技術開発力」ですが、それを生かして、OEMという取り組みをやっています。
日本に限らず、アジアにおいても、顧客資産やメディアやユーザーデータ、広告予算をお持ちの伝統的な企業があります。そのような企業に、我々がプロダクトを提供して、共同でビジネスを行っていきます。
例えば、ソフトバンク社もOEM先で、「SoftBank Ads Platform」というかたちで、広告事業を運営しています。SoftBankの広告予算の最適化にも使われますし、外部の広告主の予算の最適化にもSoftBank Ads Platformを提供しています。その裏側で今、我々のSSPなどが使われています。
日本だけではなく、海外でもそのようなOEMの提供をして、OEM先の企業と連携して事業を進めていっています。
1-3. ビジネスモデル
ビジネスモデルについて、収入源は大きく分けて2つあります。広告上掲載料と、システム利用料です。
広告掲載料は、広告主や、DSP、代理店からお金をお預かりして、インターネットメディアに広告を配信するといった流れになっています。ですから、我々は手数料をいただいて、原価として、インターネットメディア様にお金をお支払いします。
システム使用料は、我々の「MAJIN」などの事業がこちらに当たるのですが、自分たちの作ったプラットフォームの利用量に応じて、(使用料を)いただくようなものになっています。
毎年我々は高成長を続けてきていますが、非常にリピート性の高いビジネスモデルを展開できているところが強みになっています。
2-1. 2018年3月期 第3四半期決算ハイライト
ここから、第3四半期の業績の説明です。
ポイントはいくつかありますが、まず、連結の売上は第3四半期累計で100億7,000万円、前年同期比21パーセント増と、通期業績予想の進捗率は、68.4パーセントとなっています。
営業利益は3.7億円、前年同期比165.3パーセント増と、予想進捗率は67.4パーセントとなりました。
広告業界特有の季節変動がありまして、1〜3月に収益が上がりやすい傾向があります。今のところ、連結の通期の予想に対する進捗も、おおむね例年どおりとなっています。
12月に上場して、13億円ほど資金調達を行いました。
アド・プラットフォームの事業では、「GenieeSSP」において、今年はアドフラウドなどの問題が我々の業界の中で大きなテーマでした。
同業の中でも、こうした影響を受けて売上があまり伸ばせていない会社も多い中で、我々は大型案件の受注やOEMの増加があり、順調に業績を伸ばすことができました。「GenieeDSP」の方も、継続的な顧客開拓により、規模は拡大していっています。
マーケティングオートメーション事業も、今次々と新機能を開発していますが、他にも他社との連携による取り組みや、協業先と一緒にイベント・セミナーを開催するなどにより、累計アカウント数も650社を超えるところまできています。
2-2. 2018年3月期 第3四半期業績(累計)
こちらが第3四半期決算の累計の数値になります。
売上は、前年同期比21パーセント増の100億7,000万円、売上総利益は51.3パーセント増の17億8,000万円になっています。
営業利益は前年同期比165.3パーセント増の3億6,900万円、経常利益は前年同期比221パーセント増の3億2,800万円となっています。
前年同期比で、高い収益成長率を達成していますし、収益性も向上しています。
先ほどご説明したとおり、今期、通期の業績予想については、おおむね計画どおりの進捗になっています。
2-2. 2018年3月期 第3四半期業績(四半期)
続きまして、四半期ベースの数字になります。
第3四半期の売上高は、過去最高の35.8億円となりました。売上総利益も順調に伸び、前年同期比27パーセント増の6億3,000万円となりました。
一方、第3四半期は上場の費用や中長期的な事業の拡大を見据えて、人材採用、広告宣伝等を積極的に行ったことから、四半期ベースの営業利益は前年同期比でほぼ横ばいとなっています。
また、営業外費用として、貸倒引当金や上場関連の費用、支払利息などがあったことから、経常利益は約9,000万円となりました。
第3四半期においては特別損失などの計上はなく、四半期純利益は税引後約5,900万円となっています。
2-3. 連結売上高の推移
続きまして、こちらは四半期ベースの売上高の推移です。事業別にはこの後、ご説明いたします。
2-4. 連結営業利益の推移
こちらが四半期ベースの営業利益の推移となっています。
先ほど申し上げましたとおり、第3四半期は上場後の中長期的な事業拡大を目指して、人材採用、広告宣伝・営業キャンペーンなどを積極的に行ったことなどから、販管費を増加させています。四半期ベースの営業利益については、前年同期比で横ばいとさせていただいております。
当社の収益の推移の特徴として、凸凹した図になっていますが、季節性により下期に収益が上がりやすいかたちになっています。
2-5. 事業別売上高の推移―アド・テクノロジー事業―
続きまして、事業別の四半期の売上高です。
まず、アド・テクノロジー事業からご説明します。
当社の主力事業であるメディア向けの「GenieeSSP」は、アドフラウドによる影響などがあったものの、大型案件の受注などがあり約30億円の売上まで成長しています。
広告主向けの「GenieeDSP」に関しても積極的に拡大していったことから、売上を伸ばしていっています。
2-6. 事業別売上高の推移―マーケティングオートメーション事業―
続いてマーケティングオートメーション事業です。
2016年の7月に「MAJIN」のサービス提供を開始しました。わずか1年半で累計アカウント数が650社を超えてきています。こちらも積み上げ式のビジネスモデルになっていて順調に業績を伸ばしています。
後ほどトピックでご紹介いたしますが、ジーニーの強みである技術力を生かして、独自の機能開発を進めています。
その結果、第3四半期については前年同期比86パーセント増の約2.7億円の売上となっています。
2-7. 事業別売上高の推移―海外事業―
続きまして海外事業です。
ベトナムとインドネシアを中心に受注が進んだことから、業績は安定的には伸ばせています。前年同期比28.8パーセント増の約2.7億円の売上となっています。
今後もさらなる事業拡大に向けて、組織体制の強化を行っていき、来期以降も継続的な成長を見込んでいます。
2-8. 販売管理費の推移
続きまして販管費の推移です。
人件費、広告宣伝費や事業拡大に向けた販管費の増加から、第3四半期は5億円ほどになっています。
従業員は前年同期比で54名ほど増員しています。
2-9. 従業員数の推移
続きまして従業員数の推移です。
今後のさらなる事業拡大を見据えて、国内・海外で積極的に採用活動を行っています。前年同期比で54名ほど増加しました。
職種別の従業員数については、従来より変動はあまりなく、エンジニア、事業開発のメンバーが約4割となっています。
3-1. 2018年3月期業績予想
続きまして、今期の通期の業績予想です。上場時に公表いたしました数値から変更はありません。
現在、連結の売上高は約147億円、営業利益は約5.4億円の着地を見込んでいます。純利益は約4,700万円となっていますが、投資有価証券の減損を第2四半期に行ったことから、このような数値になっています。
3-2. 最近の取り組み①
最近の取り組みに関するトピックです。
1つは我々が今、順調に積み上げて伸ばしているマーケティングオートメーション事業で、AIを活用した「AIスコアリング」というものをリリースいたしました。
企業のユーザーの中で、「どのユーザーが一番購買活動に近いか」を機械が自動的に判断して、「このユーザーにピンポイントに営業をかけたほうがいい」とか、広告配信をしたほうがいい」ということをスコアリングしていく機能になっています。
3-2. 最近の取り組み②
最近の取り組み2つ目で、コールセンターのコラボス様と業務提携をいたしました。
コールセンターの電話のオフラインデータと我々のマーケティングオートメーションのオンラインデータを統合して、マーケティング活動に使っていくという取り組みになっています。
3-2. 最近の取り組み③
最近の取り組みの3つ目として、三井物産様が提携しているDrawbridge社のクロスデバイス、「Drawbridge」というツールとGenieeDSPを連携いたしました。
昨今、ユーザーはPCやスマートフォンなど、さまざまなデバイスを使ってインターネットを見ていますが、同じユーザーが使っていることを特定して、広告配信や広告成果の計測に使えるようなツールとなっています。
3-3. 今後の成長戦略
最後に当社の成長戦略です。(表に)事業軸と地域軸があります。
基幹事業のGenieeSSPは継続的に市場シェアを今後も上げていく計画としています。GenieeSSPだけではなく、GenieeDSP、MAJIN等のプロダクトを出していますが、これからもM&Aと新規事業によって、マーケティングテクノロジーとアド・テクノロジーの新規ツールを出し続けます。
地域軸としては、日本を中心に東南アジア、インドでの市場シェア獲得を目指していって、そのかけ算で高い成長率を今後も続けようと考えています。
以上です。ご清聴どうもありがとうございました。