2. 墓じまいの費用が気になる!

墓じまいにかかる費用は、「お墓の撤去にかかる費用」「行政手続きに関する費用」「新しい供養先にかかる費用」の3つに大きく分けられます。

それぞれにかかる費用の目安は以下の通りです(※各種資料をもとに筆者計算)。お墓の撤去と新しい供養先にまとまった費用がかかることが分かります。

2.1 墓じまいにかかる費用の目安

  • お墓の撤去にかかる費用 20万~50万円程度
  • 行政手続きに関する費用 数百円~1500円程度
  • 新しい供養先にかかる費用 5000~300万円程度

ただし、墓じまいにかかる費用総額は、移転元や改葬先となるお墓のスタイル、お墓の移転方法などにより変わってきます。改葬先の墓所の管理者(霊園・お寺など)としっかり相談しましょう。

また、お墓の引っ越しを知らせたところお寺から高額な離壇料を請求されたというトラブルも、国民生活センターには寄せられています。

3. 墓じまい後の「お骨」をどうする?「新しい供養の形」特色と費用

墓じまいをした後、お骨をどのように供養する方法があるのか、その費用はいくらかかるのかは墓じまいすることを決める前にしっかりと確認しましょう。

ここからは、新しい供養の形について、それぞれの特色と費用を紹介します。

新しい供養の形には、以下のような種類があります。

  • 散骨
  • 小さな骨壺に入れて自宅で保管する
  • ペンダントなどのアクセサリーに加工する
  • 樹木葬

3.1 散骨

新しい供養のスタイルのひとつ「海洋散骨」(写真はイメージです)

Mtaya/shutterstock.com

散骨とは、海などに遺骨を撒いて自然にかえすという、近年人気が高まっている供養の方法です。海に散骨する場合は、海水浴場や漁場などに撒くことはできません。

専門の散骨業者に依頼し、船をチャーターし、漁場に影響を与えない沖合まで船で行き、散骨します。また、散骨をする際には、遺骨を2mm以下のパウダー状にする必要があります。

そのままの形で遺骨を撒いてしまうと、何らかの犯罪に巻き込まれた場合と区別がつかなくなり、最悪の場合、死体遺棄罪で罰せられる可能性があるからです。

この粉骨する作業は専門業者に依頼するのが一般的です。散骨にかかる費用をまとめると以下の表のとおりです(※各種資料をもとに筆者計算)。

  • 船のチャーター費用 ご自身で散骨する場合 10万~50万円程度
  • 業者に散骨してもらう場合 5万円程度
  • 粉骨する費用 2万円程度

3.2 小さな骨壺に入れて自宅で保管する

小さな骨壺に入れて自宅で保管するという供養方法もあります。

お墓に納骨する骨壺は両手で抱えるほどの大きさがあるため、そのままのサイズで自宅に置くのは抵抗があるでしょう。

そこで、遺骨の一部、もしくは粉骨して軽量化をはかり、小さな骨壺に入れます。そして、リビングや寝室などに位牌や故人の写真と共に飾るという方法も。

小さな骨壺に入れて自宅で保管する供養の費用は以下の通りです(※参考:各種資料をもとに筆者計算)。

  • 骨壺代(粉骨などの費用を含む) 5000円~3万円程度