LIMOが2023年下半期にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年7月15日)

老後は、国民年金または厚生年金を収入の中心とする方が多いと思います。

しかし、将来、自分がどのくらいの老齢年金を受給できるのか、把握しているという方はそう多くはいないようです。

生活必需品や光熱費の値上げなどもあり、目先の生活に追われ、老後の年金など考えられないという方は少なくないでしょう。

しかし、いまのシニア世代の年金受給額を見れば、老後に向けて何か準備をしなければ!と感じるかもしれません。

現役世代の方にとっては”まだまだ先”の老後。年金事情も変わっていくと考えられますが、良い方向に変わるとは言い切れません。

老後、慌てることのないよう、定期的に年金生活について考えていく必要があるでしょう。

本記事では、いまのシニア世代の老齢年金の受給月額を1歳刻みで細かく確認していきます。ぜひ、老後のマネープランを考える際の参考にしてください。

1. 日本の公的年金は「2階建て構造」

日本の公的年金制度は、1階「国民年金」と2階「厚生年金」の2階建て構造です。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.1「国民年金」(1階部分)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直し)
  • 年金額:満額79万5000円(※)✕調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)

※2023年度の年額

1.2「厚生年金」(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料によって決まります(国民年金に上乗せで支給)

国民年金は保険料が一律のため、40年間全ての保険料を納めれば老後に満額を受給することができます。一方、厚生年金は、現役時代の給与や賞与などの報酬によって保険料が計算され、納めた保険料と加入期間によって老後の受給額が決定します。

国民年金と厚生年金は、老齢年金・遺族年金・障害年金といった国民の生活をサポートする公的な制度ではありますが、上記のような違いがあるため仕組みを正しく理解しておきましょう。