庶民的な激安スーパーとして有名な大阪の「スーパー玉出」がいま、外国人観光客になくてはならない存在となっています。鮮やかな黄色に浮かび上がる、インスタ映えする店の看板が有名になっているのみならず、旅先での買い物先として必要不可欠な存在になっているようなのです。実際に行ってみると、夜のスーパー玉出のレジには、長い行列ができていました。
夜のスーパー玉出がスゴいことになっているらしい!?
夜のスーパー玉出が外国人観光客でスゴいことになっているらしい、と耳にする機会がありました。庶民的な激安スーパーとして知られているスーパー玉出。東京では知らない方も多いかもしれませんが、大阪ではもはや知らぬ者はいないといっても過言ではない存在です。
それほどの人気と聞けば、確かめるしかないでしょう!ということで、夜のスーパー玉出日本橋店(大阪市中央区)と天神橋店(大阪市北区)をのぞいてみました。
スーパー玉出は「道頓堀のグリコの看板」のイメージ!?
実は、訪日外国人観光客とおぼしき方のインスタグラムで「スーパー玉出は(道頓堀の)グリコの看板のイメージ」といったコメントを見かけたことがあります。今回、夜に初めて行ってみて驚きました。
確かにスーパー玉出の看板は、夜の街に鮮やかに映えます。黄色の看板がひときわ目立ち、遠くからでも店の場所が一目瞭然。天神橋筋商店街の中にある天神橋店の場合、商店街自体が明るいので色鮮やかな風景とまではなりませんが、日本橋店を見ると、グリコの看板的美しさ、との表現にも納得できてしまいます。
夜のスーパー玉出日本橋店は、インスタ映えするスポットということもあるのか、スマホで写真を撮っている方が多数いました。
レジには長い行列。夜のスーパー玉出日本橋店には家族連れ旅行客も多い
スーパー玉出日本橋店を訪れたのは夜の21時過ぎ。同店は最寄り駅から5分ほど歩いた、街の中心部から少し離れた場所に位置していますが、店の周囲には人だかりができていました。
店内も大繁盛で、レジには長い行列が。「スーパー玉出ってこんなに人気店だったのか?」と思わずにはいられません。
見たところ、外国人観光客と思われる方の比率が6~7割。そして彼らが大量の食材を購入する姿も見られました。刺身のパックをまとめ買いする方や、どう見ても鍋の準備に使うであろう鍋用スープ、野菜、魚介類を購入している方。玉出名物の激安総菜も飛ぶように売れています。筆者がスーパー玉出に入ったのは初めてではありませんが、これまで知っていたスーパー玉出とは全く異なる世界が広がっていました。
意外に多かったのが、家族連れの旅行客の買い物姿です。これは日本橋店、天神橋店で共通して見られました。難波の街を歩いていると家族連れの旅行客の姿を多く見かけますが、そのまま家族総出でスーパー玉出まで買い物に出ているようです。確かにスーパー玉出なら安くつきます。
民泊の存在がスーパー玉出繁盛の理由のひとつか?
一方で不思議に思ったのが、スーパー玉出で刺身や総菜の大人買い、果ては鍋の準備までして、どこで食べるのだろう?という点です。
日本橋店は外国人観光客に大人気の黒門市場から徒歩圏内にあり、周辺にホテルも多数あるので、宿泊先で食べることは推測できますが、ホテルで鍋までするのでしょうか?
そこでふと思い出したのが民泊の存在です。京都では違法民泊の問題もあり、厳しい規制が打ち出されている民泊ですが、大阪では国家戦略特区の制度を利用しての民泊が認められています。
今や海外の旅行者の3~4割は民泊施設に宿泊するともいわれており、民泊が認められている大阪では国内でも特に民泊が利用されるケースが多いようです。
そのように考えれば台所付きの民泊物件に宿泊して、食事はスーパー玉出で買い物して食べる、というスタイルは、長期の宿泊になればなるほど、お金の使わない合理的な滞在スタイルとなります。
黒門市場や道頓堀といった人気の観光地を抱えるうえ、民泊に宿泊でき、さらにスーパー玉出で安く買い物のできる大阪は、外国人観光客、特に長期宿泊をする観光客にとっては抜群の立地といえるのではないでしょうか?
今もインバウンド消費が盛況な大阪ですが、スーパー玉出もその大切な構成要素と思わざるを得ません。
まとめにかえて
日本橋店ほどではありませんでしたが、天神橋店でも多くの外国人観光客が買い物をしており、夜のスーパー玉出で大阪のインバウンド消費熱を再認識することができました。
インスタ映えするスポットとしてだけではなく、旅先での買い物先として、すでにスーパー玉出は外国人観光客になくてはならない存在となっているのではないでしょうか?
石井 僚一