健康保険料に加え、介護保険料の納付義務が発生する40歳代。2024年度に40歳代を迎える方もいるでしょう。
勤め人であれば会社での立ち位置が変わりやすい年代でもあり、この時期から老後を強く意識しはじめる人は少なくないかもしれません。
人生100年時代の老後対策として、早めに取り掛かりたいのが「貯蓄」です。年金収入だけでは不足する可能性がある生活費や不測の事態に備えて、十分な資金を確保しておく必要があります。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、40歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。記事の後半では、手取りからの貯蓄割合もチェックしていきましょう。
1. 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄1000万円台は何パーセントか
40歳代・二人以上世帯で「貯蓄1000~2000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、40歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【40歳代・二人以上世帯】の貯蓄1000~2000万円未満の割合
- 11.2%
1.2 【40歳代・二人以上世帯】の貯蓄1000万円以上の割合
- 21.3%
1.3 【40歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:825万円
- 中央値:250万円
貯蓄1000~2000万円未満は約1割、貯蓄1000万円以上でみると約2割となりました。
40歳代・50歳代は平均値・中央値では30歳代を上回っていますが、一方で金融資産非保有世帯の割合は30歳代より多くなっています。
子育てや教育費などが家計を圧迫し、貯蓄を減らす世帯が40歳代~50歳代で多くなる傾向があると推察されます。
次の章では、手取り収入からの貯蓄割合をチェックしていきましょう。
2. 【40歳代・二人以上世帯】手取り収入からの貯蓄割合は何パーセント?
同資料より、年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯のみ)を確認します。
2.1 年間手取り収入からの貯蓄割合
- 平均:12.0%
- 5%未満:9.3%
- 5〜10%未満:16.7%
- 10〜15%未満:21.5%
- 15〜20%未満:4.2%
- 20〜25%未満:12.6%
- 25〜30%未満:1.4%
- 30〜35%未満:5.1%
- 35%以上:7.6%
- 貯蓄しなかった:21.5%
最も多いのは「10〜15%未満」で21.5%、平均は12.0%でした。
手取りの何%を貯蓄するかは個人差があるものですが、平均を一つの目標にするのもいいでしょう。
3. 老後に向けた計画的な資産形成を
これまで40歳代・二人以上世帯の「貯蓄1000~2000万円未満の割合」と手取りからの貯蓄割合を確認してきました。
貯蓄できている人もあれば、貯蓄ができなかったという人もいましたね。
家庭環境や社会情勢の変化により貯蓄できない場合もありますが、継続的に貯蓄を続けるためには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。
先取り貯金であれば、基本的に一度申し込みをすれば毎月一定額を貯蓄できるので、きちんとお金を貯めることができるでしょう。
また、先取り貯金は預貯金だけでなく、リスクはありますが投資信託などの積み立てといった運用もあります。
これを機に自身に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。
3.1 【参考】40歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:26.1%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:7.2%
- 200~300万円未満:5.4%
- 300~400万円未満:5.5%
- 400~500万円未満:4.2%
- 500~700万円未満:7.9%
- 700~1000万円未満:7.3%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.8%
- 2000~3000万円未満:5.2%
- 3000万円以上:4.9%
参考資料
荒井 麻友子