2023年9月15日、厚生労働省は、同年1日時点における全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万2139人になったと発表しました。53年連続で増加、最高齢は116歳だったとのことでした。(※年齢は2023年9月15日現在)

高齢化が進む日本において、老後の年金生活はいかなるものなのか。

本記事では、年金受給開始年齢となる65歳以降の、二人以上世帯の貯蓄・生活費・年金月額から、シニアの暮らしぶりを観察していきます。

1. 65歳以上「夫婦世帯」の貯蓄額の平均と中央値は?

最初に、65歳以上「夫婦世帯」の貯蓄額について確認していきます。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」のデータによると、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄の分布は下記の結果になりました。

  • 平均値:2414万円
  • 中央値:1677万円

平均値は2414万円と高い水準にあります。しかし、平均値は極端に大きい(小さい)数値に引っ張られるため、ここではより実情を反映すると考えられている中央値を目安として見ておきましょう。

先述した通り、中央値は「1677万円」と、老齢年金世代はまとまった資金を保有していることがうかがえます。

また、貯蓄額が2000万円以上の世帯が全体の42.5%いる一方で、貯蓄額が300万円未満の世帯が14.4%と、全体の1割程度いるようです。