2. 「年収100万円以下~2500万円超」年収帯ごとの割合はどれくらい?
では同資料より、年収帯ごとの割合を確認しましょう。
【年収別】給与所得者の分布
- 100万円以下:7.8%
- 100万円超200万円以下:12.7%
- 200万円超300万円以下:14.1%
- 300万円超400万円以下:16.5%
- 400万円超500万円以下:15.3%
- 500万円超600万円以下:10.9%
- 600万円超700万円以下:6.9%
- 700万円超800万円以下:4.8%
- 800万円超900万円以下:3.3%
- 900万円超1000万円以下:2.2%
- 1000万円超1500万円以下:4.0%
- 1500万円超2000万円以下:0.8%
- 2000万円超2500万円以下:0.3%
- 2500万円超:0.3%
「300万円超400万円以下」が最も多く、続いて「400万円超500万円以下」、「200万円超300万円以下」、「100万円超200万円以下」という順でした。
男女別に見ると、男性は「400万円超500万円以下」が17.7%、女性は「100万円超200万円以下」が21.5%で最も多くなっています。
3. 年収400万円台の手取りはいくら?【年収458万円の場合】
年収400万円台といっても、具体的な暮らしのイメージはつきにくいでしょう。同資料の「第10表 平均給料・手当及び平均賞与」を参考に、日本の平均年収458万円の手取りの目安を確認します。
3.1 年収458万円の内訳は?
- 平均給料・手当:386万円
- 平均賞与:71万6000円
- 平均給与(年収):457万6000円
平均給料・手当の月額は約32万2000円となります。
実際には個人差があるものですが、社会保険料や税金を引くと月の手取り額はおよそ25万円前後になると考えられます。
3.2 年収458万円の手取り額は?
賞与(手取り)も含めた年収では手取り350万円ほどになり、100万円ほどを税金や保険料として負担することになります。
一人暮らしであれば貯蓄できる水準ですが、家族で生活するとなると貯蓄できない場合もあるでしょう。
配偶者の年収が約103万円以下の場合は「配偶者控除」、約201万円以下の場合は「配偶者特別控除」があり、所得税や住民税が変わるため確認が必要です。
4. 日本の年収に対する若者の声
ここで、日本の年収に対する若者の声を見てみましょう。現役大学生が集まる「LIMO・U23編集部」のメンバーに二つの質問をしました。
まず、日本の平均年収がここ30年ほど400万円台で推移していることについてどう思っているのでしょうか。
アメリカに留学中の方は、現地マクドナルドで働いている人が「月にこれくらいしかもらえないんだ」といって見せてきた1か月分のアルバイト代が、日本の新卒の給料(24万円くらい)で、びっくりしたとのこと。
また、海外と比べれば当然低いと思う反面、物価との兼ね合いで考えればその程度かなという意見もありました。
ただ、物価が上がっている今、給与も上がってほしいという切実な声がありました。
そして、国内における二極化が気になった方も。高所得者によって平均が引き上げられていることから、非正規雇用だと400万円台でも高いと思うかもしれないとのことです。
続いて、日本の平均年収が400万円台と聞いて、就活やキャリアを考える際にどう意識していこうと思うか尋ねました。
尋ねた三人とも、平均年収を超えたいと思っているようです。そのために、就活の時には業界研究や企業の体力を見極めたり、社会に出てからもステップアップを考えたりしているようです。
5. 収入を確認して、ライフプランの見直しを
今回は平均年収である400万円台に焦点を当てて見ていきました。
平均年収が450万円ほどだと、実際の手取り額は約350万円となるのを考えて日々の暮らしを考えなければいけません。
それに対する若者の声をみると、キャリア形成を大切にしようという自分事としての意識に繋がっているようでした。
そして老後のことを考えると、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を利用して預貯金だけでなく資産運用して将来に備える、長く働いて老後資金を増やすといった工夫の必要性は増していくでしょう。
ご自身の収入を確認して、ライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
和田 直子