4. 【シミュレーション】月収11万円で10年加入した場合の厚生年金
月収11万円のパートを10年続けた場合、将来の厚生年金は年間8万2000円となります。
ちなみに老齢基礎年金は年間79万5000円(2023年度の水準)。ささやかな金額ですが、将来受給する金額に上乗せできます。
4.1 発生する社会保険料…月収11万円の厚生年金保険料は?
ただし、社会保険に加入することで各種社会保険料が新たに発生します。
たとえば、月収11万円の人の厚生年金保険料は1万65円、さらに健康保険料が6501円(東京都協会けんぽ・40歳以上の場合)です。
「毎月1万6566円引かれる」と聞くと、結構な負担増に感じる人もいるでしょう。
5. 社会保険に加入するメリットとデメリットを確認!
つづいて、社会保険に加入するメリットとデメリットについて、それぞれチェックしていきましょう。
5.1 社会保険加入のメリットは「保障が手厚くなる」こと
社会保険に加入する場合、将来の厚生年金を増やせるメリットがあります。また、健康保険の保障も手厚くなります。
出産手当金や傷病手当金の給付対象となるのも、その一例です。保障がない状況に比べて、いざというときの出費に備えられるでしょう。
もちろん保険料は発生しますが、雇用されているため事業主との折半になるのも大きなメリットです。
5.2 社会保険加入のデメリットは「手取りが減る」こと
デメリットは、やはり「手取り額が減る」という点。年収の壁を少しだけ超えたラインでは、「月収が増えたのに、手取りが減った」という逆転現象が起こりやすくなります。
したがって、加入対象となった場合にはできるだけ月収をアップさせることが手取り減少の対策となるでしょう。
また配偶者の勤務先によっては、扶養手当として月額数千~数万円の支給があるケースもあります。年収130万円を超えると扶養手当の支給対象外となり、家計のマイナス額が膨らんでいくことも想定されます。
扶養範囲を超えて働くかどうかを迷ったときは、まずは世帯全体の収入にとってプラスになり得るかを考えてみる必要があるでしょう。