2018年2月1日、事務機大手のリコー(7752)は2018年3月期第3四半期(4-12月)決算を発表した。9か月累計実績は、売上高が、対前年同期比+3%増、営業利益が同+68%増、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、純利益)は同+321%増と増収増益を確保している。
主力の「オフィスプリンティング分野」(MFP、複写機、プリンター等)は、売上高は同▲1%減となったものの、経費削減等による販売管理費の削減により営業利益は同+10%増益を確保している。
また、それ以外のセグメントでは、全てが増収を確保し、営業利益についいては「サーマル」と「その他」を除き増益を確保している。
一方、2018年3月期通期会社予想については、売上高は据え置いたが、営業利益は200億円(従来予想100億円)、純利益トントン(同▲70億円の赤字)に上方修正した。継続的にグループをあげて取り組んでいる経費削減活動の成果等により販売管理費の削減が寄与するためとしている。
今後もオフィスプリンタ市場における競争激化等による消耗品の価格下落やペーパレス化による市場縮小といった構造問題が継続する可能性はあるが、そうした環境下でも、販売チャネルの見直し、サービスコストの低減、開機種の絞り込みなどによる継続的な経費削減や、商用・産業印刷分野等の成長市場に注力することで持続的に収益を改善していくことが可能かを注視していきたい。
LIMO編集部