2023年9月27日に国税庁が公表した「民間給与実態統計調査」によると、50歳代の平均給与は50歳~54歳で537万円、55歳~59歳で546万円でした。
また、55歳~59歳が年収のピークとなることも分かりました。
50歳代。お子様がいれば、教育費もピークという世帯もあるでしょう。しかし、老後が目前に迫り「備え」を強く意識し始め、焦りを感じる方もいるかもしれません。
老後に向けて「貯蓄」を加速していきたいところですが、いくら貯蓄すべきか目標が定まらない方も少なくないでしょう。
貯蓄額の目標を立てる際に目安となるのが、同年代の貯蓄額です。
自分と同年代の周囲がどれくらい貯蓄を保有しているかを知ることで、具体的な貯蓄の目標金額を決めやすくなるでしょう。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、50歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセントか
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円~3000万円未満の割合
- 7.2%
1.2 【50歳代・二人以上世帯】の「貯蓄100万円未満」の割合
- 9.3%
1.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1253万円
- 中央値:350万円
貯蓄100万円未満の世帯は1割程度という結果に。
2. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
2.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 12.3%
2.2 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1684万円
- 中央値:810万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄100万円未満は12.3%。
平均は1500万円を超え、中央値は800万円を超えました。
3. 2024年は計画的に貯蓄しよう
これまで50歳代・二人以上世帯の「貯蓄100万円未満の割合」と平均・中央値を確認してきました。
確実に貯蓄を貯めていくには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。
先取り貯金にはさまざまな種類があり、預貯金だけでなく積立投資もその一つとなります。
2024年は新NISAスタートの年。
貯蓄の一部に、新NISA制度を利用して積立投資をはじめるのも選択肢の一つとなるでしょう。
資産運用となればリスクがあるので、事前の情報収集や勉強が重要となります。
これを機に、2024年のご家庭に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。
3.1 【ご参考】50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:24.4%
- 100万円未満:9.3%
- 100~200万円未満:5.8%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:5.1%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:5.0%
- 700~1000万円未満:5.7%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上:10.8%
参考資料
和田 直子