お金を上手に貯められる人はお金を上手に使うことができる人です。そもそも無駄な出費が多いと貯金にまわせるお金も少なくなってしまいますし、我慢することが多くなってストレス過多の生活になってしまいます。お金を貯めるのも大事ですが、今を楽しく生きることも大事ですよね。そのためには、無駄をなくしてメリハリのある出費を心がけることが重要です。
今回はそんな「メリハリ出費」のポイントについてご紹介します。
まずは自分の支出の中身をチェック
自分の支出の中身を知らないと、メリハリのある出費はできません。まずは自分の支出について知ることが大事です。できれば家計簿をつけてみてほしいのですが、難しければ1カ月分のレシートを取っておくだけでも構いません。そのレシートを見ながら、無駄な出費だと思うものをピックアップしていきます。
ここでいう無駄遣いの判断ポイントは3つ。無駄遣いかどうか迷ったときは参考にしてみてください。1つ目は「ほかの手段で安く買えるはずのもの」、2つ目は「その時にわざわざ買わなくてもいいもの」、3つ目は「あってもなくてもいいもの」です。この3つのポイントに照らし合わせてみて、その支出が無駄か無駄ではないかをチェックしていきます。
無駄遣いと思われる支出が1つでもあるレシートは分けて取っておいて、そのレシートを眺めてみてください。共通点が見えてきませんか。品目、価格帯、購入店、時間帯など、あらゆる視点から眺めてみると、すべてに共通している点があるとまでは言いませんが、比較的多くの共通する項目があるはずです。
その共通点こそ、あなたが気を付けるべきポイント。あなたの財布の紐がどんな場面で緩みやすいかを示しているのです。また、過去に無駄遣いしたポイントで同じ無駄遣いをしてしまわないように対策を立てておきましょう。「おやつ禁止」「タバコ禁止」などの禁止令だったり、「カフェは1週間に1回まで」という回数制限だったり、自分に何かしらの制限を掛けることで無駄遣いを簡単に減らすことができますよ。
さて、自分の支出の中身がわかったところでメリハリ出費のポイントに移りましょう。
健康に関する出費は「質」を重視して
お金をかけてもいいのは、自分や家族の健康に関すること。健康を軽視すると将来的に大きな負債となる可能性があるためです。生活習慣が大病の原因となることも珍しいことではありません。医療費や介護費などがかさむだけでなく、仕事に影響を及ぼして将来的に負債化することも。健康を損なうことはお金が減ることよりも大きな損失と言えますから、できるだけ質を意識したいものですね。
しかし、わざわざお金をかけなくても質の良い取り組みができることもあります。たとえばジムに行かなくても屋外でジョギングしたり、自治体が主催する健康講座に顔を出したりすればお金をそれほどかけずにすみます。また、民間のジムでなくても、自治体が運営するジムに行けばかなり安く利用することができますよ。
価格が安くても同じ効用が得られるのであれば、お金をかけないに越したことはありません。お金持ちの人は意外と、そういった公共サービスを利用したり無料サービスを利用したりして上手にお金を浮かせているのです。
将来を考えたお金と今を楽しむお金のバランスを
メリハリ出費を心がけようとして挫折してしまう人は、我慢しすぎて不満が爆発してしまうパターンが多いようです。メリハリ出費をただの節約と捉えてしまうと、我慢が必要になってしまいます。メリハリのある出費は「お金をかけるところ」と「お金を上手に浮かせるところ」をはっきりさせることにあります。
そのポイントは人それぞれですが、将来のことばかり考えるのではなく「今を楽しむお金」を取っておくことも大事です。貯金にしても、特に老後の資金をイメージして貯金する場合には、先が長く、具体的なイメージも描きづらいのでモチベーションを保つのが非常に難しいですよね。我慢し続ける人生はどこかで限界が来ます。そうならないためにも、「今を楽しむお金」もきちんと用意しておきましょう。
たとえば、飲み会も0か100かということではなく、回数は減らすけれど1回1回をしっかり楽しめるように飲み会の質を高めることを意識しましょう。遅刻しないよう仕事を片付けたり、心から楽しめるメンバーで開催したり、使うお金が同じでもより楽しめるようできることはたくさんあります。
なんとなく付き合いで参加していた飲み会を削って、心から楽しめる飲み会にだけ参加する。つまらないと思いながらもなんとなく続けていた趣味を切り捨て、1つの趣味に没頭する。なんとなくダラダラ勉強していた資格試験をやめて、本当に必要な試験だけに集中する。こうした無駄を削り、1点に集中するということを意識するだけでメリハリのあるお金の使い方ができるようになります。
質と価格の比例具合を見極める力を
質のいいものを選びたいというのは誰しも思うことですが、質と価格が本当に釣り合っているかを考えてみたことはありますか。質と価格が釣り合っておらず、ただブランドの認知度やタイミングだけで高値で購入している可能性があります。わかりやすい例としては、ブランド物の期間限定セールです。売っているものは同じなのですから質も同じはずですが、セール中は30%オフや半額で買えることも少なくありません。こういうものを上手に見分けていくことも、お金持ちの得意とするところです。
また、質が高くなるにつれて価格も高くなるのはある意味当然のことですが、質はそれほど変わらないのに価格だけが高くなっていく傾向にある商品も少なくありません。逆に、質はいいけれど安いものも探せばいくらでもあります。
専門的なことはわからなくても、インターネットで調べればいくらでも情報を得ることはできますし、わからなければ周りの詳しい人に訊くこともできますよね。なんとなく購入するのではなく、買う前に一度立ち止まって、ちょっと調べてみたり自分の目で見てみたりすることが大事です。きちんと見極める力をつける努力も必要なのです。
まとめ
メリハリのある出費というのはそれほど難しいことではありません。自分で「何にお金をかけて、何を削るか」を考え、自分の中でそれが決まれば、あとは実行していくだけです。ただ、我慢のしすぎはよくないので、現実的に自分がその生活で楽しめるのか、域外を感じられるのかも考慮してくださいね。何事も、バランスが大事ですよ。
大塚 ちえ